機動戦艦ナデシコ
1389話
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けに、時には噂が強い力を発揮する。
「具体的にはどんな噂だ?」
「本当に噂だよ? 僕達が開発したエステバリスに対抗して、人型機動兵器を開発しているって。エステバリスと違うのは、IFSを使わない操縦方式にしてるとかなんとか。……まぁ、IFSは評判悪いしね」
「だろうな」
ナデシコ世界で少なからず暮らしてきた身として、IFSがどれだけ評判が悪いのかというのは理解している。
それでも連合軍のパイロットはIFSを使っているが、クリムゾングループがIFSを使わない人型機動兵器を作りだしたら、一気にシェアは持って行かれるだろう。……まぁ、それまで連合軍が残っているのかどうかは微妙だが。
それにIFSは元々副作用があるのを考えると、IFS離れの流れを止めるのは難しいだろう。
ああ、でもその技術を開発してるだろうクリムゾングループを吸収するなり、最悪でも潰す事が出来れば、クリムゾングループが研究している技術を入手出来るか。
そう考えれば、今回の反乱騒ぎはネルガルに取っても決して悪い事ばかりじゃないんだな。
もっとも、だからってアカツキが今回の件を企んだとは思えないが。
リターンに比べてリスクがでかすぎる。
まさにハイリスクノーリターンだ。
「OKです! これからルリちゃんがオモイカネで調べてくれるそうです。……ただ、このニヴルヘイムの中だとオモイカネでも手が出ない程にプロテクトがガチガチだって話なので、それを調べる為には一旦ニヴルヘイムの外に出る必要があるって話なんですけど……どうしましょう?」
ユリカの声が部屋の中に響く。
ルリとオモイカネでミスマルやヨシサダを探せるのはいい。それはいいんだが……
「プロテクトがガチガチ?」
その言葉に、軽く首を傾げる。
だがそんな俺の姿に、マリューはどこか呆れたような視線を向けていた。
「アクセルが何を考えているのかは大体分かるけど、それでも敢えて言わせて貰うわ。このニヴルヘイムはニーズヘッグと並んでシャドウミラーの象徴なのよ? それ以前にシャドウミラーの技術班の技術力を甘く見ていない? このナデシコ世界とシャドウミラーの間には歴然とした技術差があるのよ。確かにオモイカネというのはこの世界では高性能なAIでありコンピュータでしょう。けど、シャドウミラーの機体には基本的に無力よ」
……そうなのか。てっきりルリとオモイカネの能力ならシャドウミラーの機体とかにも普通にハッキングが出来ると思ってた。
だがマリューの言葉を聞く限り、その心配はいらないらしい。
いやまぁ、ネルガルのフラッグシップとでも呼ぶべきナデシコの要因の1つであるオモイカネをあっさりと無効化出来ると言われたアカツキは、微妙に顔を引き攣らせているけど。
この顔を引き攣らせて
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