第百十三話
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?」
「……時間だから帰って来い、って。スメラギから」
嫌そうに顔をしかめるセブンが指をさした方向を見てみれば、予定が書き込まれたホワイトボードが見て取れる。どうやら現実世界の方でこれから用事があるらしく、苛ただしげにセブンは立ち上がった。
「もう! あの人も一緒にお茶会すら予定だったのに!」
「あの人?」
三人で紅茶やお茶菓子を片付けながら――急いで食べ尽くそうとしながら、セブンは時計を確認しながらそう呟いた。
「ルクスが捕まっている場所、わたしから連絡したでしょ? あれ、わざわざ調べてくれた人がいるのよ」
隠蔽スキルを凄い上げてるみたいで、すぐにルクスの場所を突き止めちゃってね――と、まるで自分のことのように、セブンは嬉しそうに語る。ルクスに礼を言われた際に、それを後回しにしたのはそういう事情があったのだが、あいにく向こうの予定が合わなかったようだ。もちろんセブンとしては残念だが、それは心の内に留めておくことにする。
「へぇ。じゃあ確かに、その人にもお礼したかったね、ルクス」
「ああ。名前はなんでいう人なんだい?」
確かにPK集団と直接戦ったのはユウキたちで、リーダーであるグウェンを説得したのはルクスだが、そもそもセブンからの場所の連絡がなければそれも出来なかった。ユウキにルクスは顔を見合わせてそう聞くと、セブンは少し考え込んだあとにそう答えた。
「――レイン、って言ってたかしら」
「ったくキリトの野郎……会ったこともないオレらにどうしろってんだよ。なぁ?」
「無事終わったんだからいいんじゃないか。もちろん、キリトには何か奢ってもらうとして」
浮遊城の内部にあるサラマンダー領軍の前線基地から、クラインとショウキは愚痴を吐きながら出て来ていた。本来ならサラマンダーの将軍に知り合いがいるキリトの担当だったのだが、アスナの件で頼み込まれた結果、まるで関わりのない二人が行かされたのだった。とはいえ、一番好戦的なサラマンダーのところに行かないわけにもいかず。
「つーか、アイツはなんで将軍まで攻略してんだよ!」
「まさか全肯定されるとは思わなかったな」
そして頭を抱えながら行ってみたところ、『キリトの仲間が言うことならそういうことだろう』とかの将軍が納得してくれたため、まるで手間取ることはなく終わった。そしてシャムロックへの軍備を中止するところまで見届け、二人は微妙に疲れて浮遊城の主街区を歩いていた。
「これならキリトの仲間詐欺とか出来んじゃね! オレオレ、キリトの仲間だって! とかよぉ」
「わりとルクスあたりが引っかかりそうだから止めてやれ」
あー、あとシリカとかヤバそうだな――などと無責任なことを喋りながら、二人は
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