第76話
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「―――そうだ。君達に伝言があったんだ。」
そしてロイドは病院の研究棟でユウナから聞いた伝言を伝えた。
「そうか………」
「………やっぱり………」
「………………」
ユウナからの伝言を聞いた二人がそれぞれ血相を変えている中レンは目を伏せて黙り込んでいた。
「ユウナちゃんを捕まえる最後のチャンスをあげる………一体、どういう意味なのかしら?」
「うん………―――多分ユウナは、あたしたちがあの子の全てを受け止められるか試しているんだと思う。」
「そのためにはかつてあの子とレンを襲った悲劇の一端を担っていた人物………”彼”から全ての真実を聞きだす必要がありそうだ。」
「そうか………」
エリィの質問に答えた二人の話を聞いたロイドは真剣な表情で頷いた。
「………わたしも改めてあの人を問い詰めたいです。なぜ、あんな実験をしたのか………どうしてこの地に落ち延びて”グノーシス”を完成させたのか……そしてキーアの正体と、彼女に何をするつもりなのか………」
「…………………」
「レンちゃん…………」
ティオの説明を聞いて何も答えないレンの様子をルフィナは辛そうな表情で見つめていた。
「そうね………」
「締め上げることはどのみち確定みてぇだな。」
「ああ………確実に逮捕しよう。操られた警備隊を解放して、キーアの安全を確保するためにも。」
「………行くのか。」
ロイド達がヨアヒムを逮捕する事を改めて決意したその時応急処置を終えたセルゲイが足を引きずって車から現れた。
「課長………!」
「止血したばかりなんですからあまり動かないでください………!」
「クク、さすがにこの足でついていくつもりはねえさ……」
エリィの心配の言葉に苦笑して答えたセルゲイは車のタイヤ傍にもたれかかって座り込んでロイド達を見上げて口を開いた。
「………だがせめて、ここで見送るくらいはさせろ。一人前になりかけの部下どもを見送るくらいはな………」
「課長………」
「ったく……カッコつけすぎだぜ。」
「クク……それがオヤジの特権ってヤツだ。―――ロイド、エリィ、ティオ、ランディ……そしてレン。着任して4ヵ月あまり……お前らもそれなりに成長した。無事、この件にケリを付けたら晴れて一人前として認めてやる。だから……絶対に無事に戻って来い!
「はい……!」
「わかりました……!」
「了解です……!」
「イエス・サー!」
「わかったわ!」
そしてセルゲイの号令にロイド達は力強く頷き、セルゲイとツァイトに見守られてエステル達と共に遺跡―――”太陽の砦”に突入した――――!
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