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剣(ブレイド)外伝-仮面ライダーギルティ-〜失格者の罪と罰〜
楽園に舞い降りた罪の怪物と罰の戦士その2
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話は詠鶴が楽園島に流れ着く三日前に遡る…この日の早朝の近隣の海域はいつも通り、島の雰囲気と同じく穏やかな様子であった…漁師の漁船が漁を開始していたとき、それは起きた。
「ぐあっ!?」
船底に何かぶつかったのか、ドンッという鈍い音がすると船は大きくグラグラ左右に揺れながら傾き、今にも沈みそうになる。
「むぐぅ!?むっ…むぅううう!!むむぅううう!!?」
更にその最悪な状況に拍車をかけるかのように海面から黒いナニカがいきなり漁師目掛けて飛びかかり、顔全体を覆ってしまい、呼吸困難に陥らせた後に船から漁師を引きずり下ろし、そのまま海中のどこかへ消えてしまった…それと同時に漁師の船は完全に沈没し、そのまま海の藻屑と化してしまった…。
そして現在、楽園島にて…詠鶴がシスターのエレノアに保護され、怪我の完治するまでの間に教会に居候させてもらう身になった…流石に全く見ず知らずの女性、しかも聖職者のお世話になるなどという前代未聞の経験にはじめは戸惑っていた詠鶴だったが、それも日が経つにつれて徐々に慣れていく…。
あれから一ヶ月後、詠鶴はというと…。
「あぁ〜ヤシの実うまいんじゃ〜」
…骨の髄まで完全なるダメ人間と化していた。教会の近くにあるヤシの木の実の果汁を啜りながら、島村の親切な人から借りたアロハシャツに短パン姿というラフな姿でだらけきっていたこの馬鹿者は島の居心地の良さとエレノアの献身的優しさに身を委ね過ぎてしまった結果、この様な腑抜けに成り下がったのだ…。
「おかわりはたくさんありますからね〜♪」
「はーい、シスター」
エレノアの甘い優しさと甘いヤシの実に溺れる毎日により、ダメ人間となった詠鶴はこんな感じで毎日を過ごしており、島を出ていくどころかすっかり居着いてしまっている…以前までの使命感に満ちていた険しい顔つきもだらしなく緩みきり、生真面目な性格までもが若干変わってしまったが良くも悪くもエレノアのお陰であろう。
「このクズ野郎!!」
「あがぶっ!?」
「鱗君!!?」
…だが、当然ではあるが初対面の時から良く思われなかったのに加えて最近の詠鶴の堕落ぶりもあってか、鱗からは蛇蠍の如く嫌われており、今もこうして怪我の治療と理由を付けては一歩も動かずにだらけまくってる詠鶴を躊躇いなく殴り飛ばしている。
「何をするんだ?鱗…否、義弟(おとうと)よ。」
「くっ…やめろっ…!その、意味深な言い方っ…!やめろっ…!!」
目の前にいる確信犯の言葉に思わず鱗は涙を某ギャンブル漫画のキャラの様にボロボロ流し、当初から見抜いていた詠鶴のエレノアに対して抱いていた危険性…最悪の未来の可能性、彼によって彼女を奪われてしまうことに確信を得てしまったのだが不幸中
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