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剣(ブレイド)外伝-仮面ライダーギルティ-〜失格者の罪と罰〜
楽園に舞い降りた罪の怪物と罰の戦士その2
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の幸いか、その気になっているであろう詠鶴はともかく、エレノアは彼のことを自分の教会で安静にしている行き場の無い怪我人という認識でしか見てなかった。天然なため詠鶴のそのような見え隠れする意図にはまるっきり気づいてなかったりする。
「あ、あの〜?鱗君?ダメですよ〜?まだ詠鶴さんは完全には治ってないから〜…」
「バカッ…エレ姉ぇのバカッ…!!」
「あっ…」
心配するエレノアを振り切り、鱗はそのまま教会を後にするように走り去る…ここ最近、詠鶴という名のクソ野郎のせいで鱗が教会に来る回数は激減しており、例え来たとしても鱗は詠鶴の顔を見るなりいきなり喧嘩を始めてしまっては出ていってしまう、こんな感じのことが続き、エレノアは走り去る彼の後ろ姿を寂しそうに見つめ、落ち込んでしまう…。
「鱗君…」
「エレノア、大丈夫か?」
「は、はい…大丈夫ですよ〜?詠鶴さんはゆっくりしていてくださいね、ふふっ♪」
エレノアは明るい笑顔を作って詠鶴に余計な心配をさせないようにした…しかし、彼にはああ言ったもののやはりそれはどこか無理のある暗いものがあり、小刻みに体を震わせ、目が若干潤んでいた…下手をしたら今にも決壊しかねないほどに。
(ふむ、そうか…彼女は…)
詠鶴はユルユルな表情から一変、エレノアの本当に悲しげな笑顔から何かを察して真剣な元の鋭い顔つきになった。
(クソッ!!クソッ!!クソッ!!畜生ォオオオオッ!!)
一方、鱗はというと未だにイライラしながら海に潜って漁をしていたが、こんな安定しない精神状態で獲物が取れるわけもなく、銛をいくら振るっても魚からは小馬鹿にでもされたかのように易々と逃げられてしまい、全て空振り…成果はボウズで終わってしまった。
「うぐっ…ううっ…!!返せ、返せよ…俺のエレ姉ぇ…返しやがれ、馬鹿野郎ッ…!!」
拭うことすらせずに冷たい雫を冷たい海に落とす鱗は絶望していた。昔からエレノアのことを姉のように慕っていたがそれは年月を重ねるにつれていつしか子供ながらも淡い感情に、所謂初恋…それも本気のものへと発展していった。しかし所詮子供は子供、未熟な自分では大人の詠鶴にはどう足掻いても敵いやしない、いずれ自分の愛するエレノアが彼に取られてしまうのではと、そうなってしまった場合はもう彼女は自分なんかに見向きもしないのではと…マイナスな想像が嫌でも浮かんでしまい、余計に涙が止まらなくなってしまった。
「…ぐすっ…ぐすっ…ん?」
これ以上此処でベソをかいてるだけ無駄と知り、鱗は海から出ようとした時…砂浜に見慣れない物体を見つけた。
「………なんだ、これ………?」
掌に収まるくらいの大きさのソレは何かしらのベルトのバックル部分であった。黒いバックルの中心に
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