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剣(ブレイド)外伝-仮面ライダーギルティ-〜失格者の罪と罰〜
楽園に舞い降りた罪の怪物と罰の戦士
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にかけ、銛を片手に海へと飛び込んだ…これは朝の祈りを済ました後の彼女のもう一つの日課である。それは朝食代わりの魚や貝を取りに海に潜ることであった。

「〜♪〜♪」

海中にて、先程の清楚で神聖な雰囲気はどこへやら、無邪気に遊ぶ子供のように楽しそうに慣れた手つきで銛を突き、一匹、二匹、三匹と次々に獲物である魚を仕留めていくその様子からやはりエレノアもこの崩壊した世界で逞しく生きる人間の一人であったようだ。

「〜!〜♪」

「〜!!」

ここでエレノアは海中で自分の前で同じく漁をしていた一人の人間の存在に気づいて手を振ると相手もそれに応えるかのように手を振る。ここで一旦、お互いに呼吸を整えるため同時に海面へと顔を出す。

「ぷはぁっ!おはようございます♪鱗君♪」

「ぶふぁっ!!おはよう、エレ姉ぇ!」

エレノアは自分が会った黒い髪をした頬に絆創膏を貼った小学生くらいの年齢の活発そうな小柄の少年・栖貝鱗(すがい・リン)と挨拶を交わした。鱗は教会から離れた場所にある島村に住む少年であるが島民の中でも特に彼女と仲が良く、こうして一緒に漁などをして遊んだり、教会で何気ない会話をしたりして過ごすのが彼の一日の大半だ。エレノアは彼を年の離れた良き友人、あるいは自分の弟の如く可愛がり、鱗もまた、彼女のことを姉の様に慕っていた。

「見なよ!こんなにでかいのを取ったんだ!」

「わぁ〜♪おっきいタコさんですねぇ〜♪私も沢山取りましたよ〜♪」

「げっ!?マジかよ、すげぇなエレ姉…前までは小魚すら取れなかったのに…」

「ふふ♪これも鱗君のおかげです♪」

お互いの獲物を自慢し合うエレノアと鱗…今でこそ彼女は沢山の獲物を仕留められるようになったが、一昔前、島村の漁師の子である鱗が彼女に漁のし方を教えたのが切っ掛けで始めたのだが最初辺りの時は魚一匹も取れずに泣く泣く砂浜で貝だけ拾って帰るのが常であった。そんな少し悲しい過去を糧にしたエレノアの腕前は地元漁師顔負けのものへと昇華された。

「私はこれだけじゃ足りないんでもう少し潜りますが、鱗君はどうします?」

「相変わらずよく食うなー。俺はまだ来たばかりだからしばらくここにいるよ。」

「はーい♪でも、いつも言ってますけど、あまり遠くには行かないでくださいね〜?」

「わぁーってるよ!エレ姉ぇこそ波とかに流されんなよ!!」

二人は素潜り漁を再開、海中で別れた後に獲物をまた探しだす…。

(ん〜?…えっ!?)

エレノアはふと、海中にある岩場の近くで何かを発見、最初はゴミかなにかが沈んでるのかと思ったが、そうではなかった。そこにあったものはなんと、海草に絡まりながら既に意識を無くしている様子で漂うこの島では見かけたことがない一人の男の姿であった。

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