機動戦艦ナデシコ
1388話
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マリューが言ったこの世界の揉め事という言葉を思い出す。
そして連想されるのは木連内部で起きた騒動。具体的には、笠の男が俺を暗殺しようとした一件。
もし今回の騒動の糸を裏で引いている者がいたとして、それは実は草壁だったりするのか?
……そう考えれば、捕まった笠の男が殺されたというのにまったく証拠が残っていないという草壁の言葉にも納得がいく。
いや、寧ろ殺されたと言っているのは草壁である以上、あの笠の男はまだ生きている可能性すらある。
勿論笠の男が死んだというのを示す為に血痕とかを見せる必要がある以上、アリバイ工作の類はしてるんだろうが。
今回の件を思えば、草壁がこれ以上ない程に怪しく感じられるようになる。
『アクセル? どうしたの?』
「いや、何でもない。ちょっと木連に翻弄されていると思ってな」
木連が元から今回のような色々な勢力を使った反乱を企てていたとすれば、グリューノとの会談に関しても今回の反乱を起こすまでの時間稼ぎだった……という可能性は十分にある。
策士としては優秀だな。
木連にも猪突猛進な熱血馬鹿以外にも人材がいたか。……秋山とかいたのを思えば、それが決して間違いって訳じゃないだろうが。
「とにかく、これからナデシコをニヴルヘイムに収納したい。どこに入れればいい?」
『えっと、そうね。……そのメギロートについていってちょうだい』
マリューの言葉に頷き、ナデシコへと通信を繋げる。
「ナデシコ、聞こえているな。これからそっちに向かうメギロートの誘導に従ってニヴルヘイムの格納庫に入ってくれ」
『あ、はい分かりました。ミナトさん、お願いします』
『はいはい、任せてちょうだい。ニヴルヘイムは大きいから、ぶつけたりする心配はいらないのが嬉しいわね』
笑みを含んだミナトの声が聞こえてくる。
その声に嬉しそうな響きがあると聞いたのは、俺の勘違いか?
『アクセルさん、ではナデシコは出発します。ルリちゃん、周辺にデブリとかはないよね?』
『はい。不自然な程にデブリの類はありません。……あのメギロートがどうにかしたんでしょうか?』
『正解よ』
マリューがナデシコの通信に割って入る。
ナデシコのブリッジメンバーは、マリューについてはもう何度か顔を見た事があるせいか、特に緊張もせずに頭を下げる。
『お久しぶりです、マリューさん』
『ええ、久しぶりね。そちらも色々と大変だったようだし、ニヴルヘイムに来たらゆっくりと英気を養ってちょうだい』
英気を養うと言っても、料理とかそういうのを準備するのは量産型Wで、ホウメイの技量には到底敵わないんだが。
いっそナデシコがニヴルヘイムにいる間は、ホウメイにニヴルヘイムの食堂とかを監督して貰った方がいいか?
そ
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