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善意の裏
第三章
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の制限を!」
「民衆に自治を!」
「抑圧を許すな!」
「ハワイに自由を!」
「アメリカの自由と平等をハワイにもたらすんだ!」
 こう叫びだ。ハワイの至る場所を占領していったのだ。それは王宮にも及び。
 王宮にも兵達が雪崩れ込み完全に占領した。そしてだ。 
 ハワイ王、既にそれは選挙で選ばれるというアメリカの大統領選挙の様なもので選ばれていた王の前にだ。兵達が来た。アメリカの軍服を着てアメリカの銃を持った者達がだ。
 その彼等が来てだ。玉座の王に言ってきたのだ。見れば彼等はハワイ人だけではない。色が白く鼻の高い者達も大勢いる。
 その彼等が王の前に来てだ。こう言ったのである。
「陛下、民衆が立ち上がりました」
「専制はもうできませんよ」
「これからはハワイも民衆の国になります」
「今からそれがはじまるのです」
「馬鹿な、ハワイはこれまでの民衆の国だった」
 王は玉座からこう兵達に返した。
「そして今もだ。ハワイ人の国ではないのか」
「いえ、違います」
 王の今の言葉を否定してだ。一人の軍服ではない、やはりアメリカの服にタイの男が出て来た。
 その男がだ。王に対してあえて恭しく一礼してからだ。こう言ってきたのだ。
「そうではないのです」
「何っ、それはどういうことだ」
「ハワイはハワイ人だけのものではなくなっているのです」
「ではか」
「そうです。ハワイにいる人間のものになっているのです」
 既にそうなっているとだ。そのアメリカ人は王に対してにこやかな笑みで言うのだった。
「そうなっているのです」
「ではアメリカ人のものでもあるのか」
「アメリカ人はハワイ人の友人ではないですか」
 アメリカ人の顔はにこやかなままだ。しかしだ。
 目は笑っていなかった。まるでガラス球の様な目で王を見つつだ。こう言っていくのだった。
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