第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#8
CRAZY PLATINUM LIGHTNING 〜雷吼〜
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咄嗟に叫んだ。
しかし、二人の声はどちらも承太郎には届かなかった。
スタンドの重ね合わせた両掌から一気に射出された、
エメラルドの波に覆われる無数の翡翠結晶徹光弾。
ソレが棒立ちになっているスタープラチナの無防備の胸へ
モロに「着弾」しそして深々と挿し貫いた。
スタンド操作の「極意」とも呼べる、『幽波紋流法』の直撃を
受けたスタープラチナの胸部は、瞬時に抉れて膨張し引き裂かれ、そして最後は爆散する。
衝撃で、背後に弾き飛ばされたスタープラチナとその影響で引っ張られた承太郎は、
生い茂る木々を幾本も圧し折りながら地面と平行に空間を滑走し、
天に向かって聳え立つ樹齢700年の巨木に激突してようやく止まった。
「が……は……!」
巨木の幹から力無く崩れ落ちる承太郎の口から、
生温かい血が夥しい量で吐き出される。
更にスタンド「本体」である彼の胸部にも、
スタープラチナ同様凄惨な裂傷が浮かび上がり、
多量の鮮血が間歇泉のように噴き出した。
「な、なんて威力……ッ!
私が手こずった 『星の白金』 をたったの「一撃」で……ッ!
それにあんな複雑な「構成」を一瞬で編み上げるなんて……!」
花京院の華麗かつ壮絶な『幽波紋流法』に
驚愕の声をあげるシャナ。
「むぅ……彼奴、人の身で在りながら “王” に匹敵する力を携えている……!」
両足をT字に開いた体勢で立ち、右腕を水平に構えて差し出した
威風堂々足る姿に、アラストールは敵といえど想わず声を漏らした。
「『エメラルド・スプラッシュ』……我がスタンド、
『法皇の緑』の体液に視えたのは、
破壊のエネルギーの像……
君のスタンドの「胸」を貫いた。
よって、君自身の内蔵はズタボロだ」
冷たい声色でそう呟いた花京院は、
遙か遠くに吹き飛ばされた承太郎にそう告げる。
更に、ソレよりももっと冷たい声で。
「そして……その女生徒も……」
そう言った花京院が指差した先、前方の地面に仰向けに倒れていた
吉田 一美が再び喀血した。
(!!)
「あ……あ……ッ!」
声にならないか細い悲鳴を上げ意味なく空に伸ばした手が、
やがて糸の切れたマリオネットのように弧を描いて地面に落ちる。
土の上に、口から静かに流れ落ちる少女の血が染みていった。
「いったはずだ……ボクの『法皇の緑』に攻撃を仕掛ける事は……
“その女生徒を傷つけるコトだと”
ボクのスタンドは君より遠くまで行けるが広い所はキライでね……
必ず何かの中に潜みたがるんだ……無理に引きずり出すと
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