第182話 劉弁と正宗 後編
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あったが、袁公路を荊州牧に据えることには成功した」
「正宗様、この期に及んで正宗様と対立しようとする賈文和なる人物はいかな人物なのでしょうか?」
秋蘭が正宗に聞いていた。
「董仲穎の狂信者というところだろうな。ここまでとは思わなかった」
正宗は眉間に皺を寄せ嘆息していた。董卓の性格からして、賈?の方針を善しとする訳がないと正宗は考えていた。これ以上、賈?にかき乱されることを正宗は懸念しているようだった。
「賈文和は現実が理解出来ていない馬鹿ということね」
華琳は腕組みして賈?に対して辛辣な評価を下した。正宗は華琳の口も出せない正論に沈黙する。
「正宗様、これからどうするのです?」
泉は正宗に質問した。正宗はしばし思案気な表情を浮かべていたが、考えがまとまったのか口を開いた。
「一度、董仲穎に会いに行く」
「正宗様、それが善いでしょうね。話を聞く限り董仲穎の存在があまりに希薄すぎて、董仲穎が本当に存在するのかすら疑いたくなります」
華琳は正宗の意見に賛成の様子だった。
「二人はどうだ?」
正宗は泉と秋蘭に意見を求めると二人とも頷いた。
「董仲穎の屋敷に出向くなら、先方に警戒されないように人数を絞って行った方がいいと思います。泉、あなたが護衛二十騎を引き連れ行きなさい」
「何故、私が貴殿の指図を受けなくてはならない」
泉は不満気な顔で華琳に抗議をした。華琳は済ました表情で泉を眺めていた。
「じゃあ、私が正宗様に着いていくからいいわ」
華琳は泉に対し挑戦的な笑みを向けた。
「私は行かないとは言っていない」
「そう。じゃあ行くのね?」
華琳は平静な顔で泉に聞いた。泉はもやもやした気持ちを抑え「行く!」と答えた。華琳は満足そうに正宗を見ていた。
「秋蘭、劉景升を叩き起こして陳留郡に連れて行きなさい。都を出るまでは目立たないように荷物と一緒に積めて運び出しなさい」
華琳は次に秋蘭に指示を出した。
「劉景升様をどうするつもりだ?」
泉は華琳に疑心の目を向けた。
「華琳、賈文和が何かしでかすかと思うか?」
「当然です。正宗様の話では賈文和は危ない気配をしていたのでしょう」
正宗の神妙な顔を華琳は自信に満ちた顔で見た?
「確かにな。劉景升にさほどの価値はもう無いが、劉gを動かす駒にはなり得る。面倒事が起こる前に都から離れさせた方がいいかもしれないな。しかし、華琳も陳留郡に戻らなくてもいいのか?」
「私は賈文和に警戒されていないと思いますが万が一の可能性はあります。私まで戻ることで、賈文和に勘ぐられ劉景升を奪われることは避けたいです」
華琳は正宗に彼女が懸念していることを説明した。正宗も同意
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