お別れ
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いる。だが、ヴァッサボーネは舌を出してそう言うと、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべており、全く反省してないのが見て取れる。
「相変わらずだね、ヴァッサボーネ」
「俺にはすごく厳しいよね・・・」
天狼島で頭撃ち抜かれて海に落ちた時も、ヴァッサボーネ全然心配してくれなかったもんなぁ・・・挙げ句の果てには早く行けとまで言われる始末だったし。
「「・・・」」
俺が心の傷を抉られているその隣では、ガジルさんと彼の父、メタリカーナが互いを見つめあ・・・いや、睨み合ってるようにしか見えないな、二人とも目付きが悪くて。
「これが・・・メタリカーナ」
「ガジル」
親子の感動の再会だと思っているリリーとレビィさん。しかし、メタリカーナの次の言葉により、その感動の時間は簡単に打ち砕かれる。
「相変わらず目付きが悪いのぅ」
「うるせぇ!!」
俺が思っていたことと全く同じことを言うメタリカーナ。それにガジルさんは怒りながら突っ込んでいる。
「バイスロギア・・・俺は確かに、あんたを殺した」
「俺もスキアドラムが死んだのを、この目で見た」
「ハルジールは俺が体を貫いたはずだ」
自分の親であるドラゴンを倒したと思っていたスティングさんたち。しかし、今目の前に、殺してしまったはずのドラゴンがいることに動揺を隠しきれない様子。
「人間の記憶などいくらでも改竄できるわい」
「イグニールには反対されたんだがな」
「あの時は滅竜魔導士にドラゴンを殺したという記憶と実績を与えるつもりだった」
どうやら、彼らが死んだというのはスティングさんたちの記憶違い・・・というより、ドラゴンたちの手によって記憶を書き換えられてしまっていたらしい。その結果が昔の彼らに繋がったのではないかと少し不安を感じるのですが・・・
「と言っても、死んだというのは半分正解だな」
「??」
真実を話した後、バイスロギアが意味深な発言をする。それがどういうことなのか、俺たちはわけがわからずにいる。
「私たちは、すでに死んでいるのよ」
「「え?」」
グランディーネが続け様にそう言う。でも、今俺たちの目の前には彼女たちがいる。それじゃあ矛盾が生じている気がするんだが。
「その昔、アクノロギアの滅竜魔法によって、俺たちは全員魂を抜き取られたんだ」
「だから、あなたたちの体内にいたのは、“竜化を防ぐ”“アクノロギアを倒す”という目的の他に、私たちの延命の目的もあった」
「ウソ・・・」
「そんな・・・」
ヴァッサボーネとグランディーネの説明され、信じられないといった顔をする俺とウェンディ。
「一度体から出てしまえば、二度と体内には戻れぬ。今日がお前たちに見せる、最初で最後の力」
「だか
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