暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の観測者
デート?
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ものならきっと、とりあえず美味しいかと・・・」

白井は目を点にして俺を見ている。
そして少し右の口角が上がったかと思うと。

「ふふ・・・、あははは。くくくくっ」
一瞬笑いが漏れるが頑張って店内の雰囲気を崩さないよう閉じ込めている。

「わ、笑うな!人間なんだから好き嫌いくらいあるだろう!!」
「ふー・・・、で残しますの?」
「いや、せっかく注文したんだ。全部食べる!」

俺がそう宣言し再度フォークを進めようとすると、白井は少し悪戯な
笑みを浮かべ、フォークでスパッゲティを巻きこちらに差し出してくる。

「ふふふ、私の『あーん』でこっちのスパゲッティを食べるのであれば、
私がそちらを食べて上げてもよろしくってよ?」
変わらず悪戯な笑みを浮かべている。

「ばっ、何言ってんだ!そんな恥ずかしいこと――」
「じゃあ、せっかく私がご馳走しておりますのに不味く、苦しい気持ちで
そちらの料理をお食べになりますので?それは失礼なことではございませんこと?」
「うっ・・・、それは・・・」
「さぁ、どうなさいますの?」

俺は意を決して食べようとすると白井はさらに言葉をつけたす。

「あと、このフォークは私がさっきまで口していました物ですのよ」
「いっ――」
俺は体制を戻す。

「さ、どうされますの?」
「くっ・・・、ままよ!!」

俺はフォークにかぶりつく!
そしてそのままスパゲッティを食す。

「う、うまい・・・」
「良かったですわね」
「うまい!これすごいうまいぞ!!」
「そ、そうですの・・・。では続きをどうぞ?」

白井は再び同じフォークで、スパゲッティをまとめ差し出してくる。

「え、これ・・・、最後まで・・・?」
「当然ですわよ」
「・・・・・・」

そしてスパゲッティを二人共食し終わる・・・

「ありがとうござましたー」
店員に見送られ店の外に出た頃には、既に日は沈み夜になっていた。

「楽しかったですわね」
「そ、そうだな・・・(お店の雰囲気と恥ずかしさで疲れが・・・)」
「では、今日はこれで」
「あ、あぁ。スパゲッティご馳走様」
「いえ、お礼ですので。またショッピングをする時はお声かけして
差し上げますわ」
「はいはい。その時はお荷物持ちを務めさせていただきますですよー」

白井は軽く笑って、少し手を振り帰っていった。

「さて、俺も帰るか・・・」
俺も家路につこうとした時、後ろから声をかけられた。

「あなた、桐原 瞬?」
声のする方へ振り返る。
そこには長髪の個人的には美人な女性が立っていた。

「そうだけど。あなたは?」
「私は『ITEM』。あなたを消しにきたの」
「え・・・?」


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