ハイスクールD×D 英雄を求めて
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リギを渡してやり、初歩である矢として撃ちだす。
「問題はないみたいだな。知識も魔力も足りてるんだ。あとは慣れれば一丁前の魔術師だ」
そう言ってやると、少しの間だけ固まり、ぼろぼろと大粒の涙を流し始める。
「わ、私、いらな、娘だって、ずっと、ずっと」
「あ〜、そりゃあ、辛かったな。だけど、それも過去のことだ。これからは今までの努力が認められるようになる。誰もバカにしたりなんてしねぇよ」
抱きしめて軽く背中を叩きながら泣き止むのを待つ。しばらく待っていると、顔を赤くしながら離れた。時間にして10分ほどだろうな。
「お恥ずかしいところをお見せしました。それから、本当にありがとうございます」
「おう、気にすんな。だが、気をつけろ。お前に暗示をかけた相手の目的がわからねえ。成長を促すために身内がかけていたのなら問題はない。そうでなかった場合、お前の不幸を求めた奴か、お前を自分の物にしようと考えた下衆が居やがる。身を守れる自信はあるか?」
「それは……」
「まあ、ないだろうな。仕方ねえ、乗り掛かった船だ。多少の戦闘の手ほどきをしてやる」
「いいのですか?」
「構わねえよ。とは言え、オレが教えてやれるのはルーン魔術とケルト魔術、それと槍だけだ。むしろ槍と体術がメインになるな」
「槍。やっぱりクー・フーリンに憧れて?」
「まあ、そんなところだな」
ある意味でクー・フーリンに最も近い存在と言ってもいいかもしれないが、どうでもいいことだ。オレはオレなんだからな。
それから2週間ほどロセに槍と体術の最低限の基礎を教え込んだ。魔術に比べればそこまで才能はない。とは言え、並よりは上。上の下位の才能だな。体捌きだけは徹底的に叩き込んだから同格の相手に手こずるようなことはないだろう。
この2週間の間、ロセには魔術を以前と同じように失敗するように言いつけてある。暗示をかけた相手が誰か判明するまでは人前で魔術を使わないように言ってある。だが、それでも相手は気付いたのか、ロセの後をつけてオレ達の前に姿を現した。
「お前か!!オレの邪魔をしていたのは」
「あん?なんだ、てめぇは?」
やってきた男は金髪でオッドアイでそこそこ鍛えられている割には呼吸が多少乱れて、魔力量は多いが全然安定していない、なんともチグハグな男だった。
「折角ロスヴァイセを優しく攻略しようと暗示をかけておいたのによ」
「知り合いか?」
「いえ、知りません。なんで私のことを?それに暗示をかけたって」
「まだ妄想事を垂れてやがるが、アレは殺した方がいいな。見たこともない相手に暗示を簡単にかけれるんだ。どんな隠しダネがあるかわからない。見たくないなら目をつぶっていろ」
「いえ、見届けます」
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