第二十話 特地説明会
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身の安全を第一に考え、結果、民間人を危険にさらしたのではありませんか!!?
さぁ!!話してください!!貴方が見た、軍の本当の姿を!!」
……本当にこいつは頭でも逝ってるのか?
流石に俺も堪忍袋の緒が切れたので、立ち上がろうとした。するとロゥリィが大きく口を開くのが見えた。
「あなたお馬鹿ぁあ!!?」
ロゥリィがあまりにも大きな声で言ったせいでマイクから雑音が発せられ、突然のことに驚き全員が耳を塞いだ。寝てたやつは何事かと立ち上がっている。
ようやく雑音が収まると幸原が唖然とした表情で恐る恐る口を開いた。
「今…何と?」
「あなたはお馬鹿さんですかぁ?と尋ねたのよ……お嬢ちゃん」
そう言うとロゥリィはベールをたくし上げた。笑みを浮かべてはいるが目は笑っていない。シェーンコップもそれを見たようで不敵な笑みが真剣な眼差しへと変わった。
「貴方、日本語が……」
幸原はロゥリィが日本語を話せたことに驚いたようでその表情がさらに唖然としたものへと変わった。
「そんなことはどうでも良いわぁ。ミーストたちが炎龍とどう戦ったか、それが知りたいのでしょう?ミーストたちは頑張ってたわぁ、難民を盾にして安全な場所にいたなんてことは……絶対にないわよ」
ロゥリィはそう断言するように答えた。まさかそこまで断言されるとは思わなかった幸原は絶句していた。
「第一、兵士が自分の命を大切にして何が悪いのぉ?彼等が無駄死にしたら貴方たちの様に雨露凌げる駄弁ってるだけの人を、いったい誰が守ってくれるのかしらぁ、お嬢ちゃん」
最後のお嬢ちゃんと言う言葉がまた効いたのか、幸原はこめかみがピクつかせている。
「炎龍を相手にして生きて帰って来た、先ずはその事を褒めるべきでしょうにぃ。それと、避難民の四分の一が亡くなったと言ったけど、それは違う。ミーストたちは四分の三を救ったのよ。そんなことも理解できないなんて、この国の兵士も随分と苦労してるのねぇ」
幸原は議長であるクロスムに目を向けた、発言を注意してほしかったのだろう。だが当のクロスムはそんな視線を一切感じずにロゥリィをじっと見つめていた。
「……大人に対する礼儀がなっていないようね……お嬢ちゃん?」
幸原も負けじと反論するが、特地での戦闘については詳しい情報を得ているようだが現地民についての情報はあまり持っていないようだ。こちらの世界基準で言えばロウリィは精々中学生ぐらいだろう。だが特地では見た目と中身は全く違うことが多いのだ。そのことを幸原は知らないらしい。
「それって私に言ってるのぉ?」
「他に誰がいますか!?特地ではどうか知りませんが、この国では年長者は敬うものですよ!?」
「面白いことを言うわねぇ……たかが………」
その瞬間ロウリィの唇が紫色に変わった。戦闘モードに突
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