第二十話 特地説明会
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のことについてどうお考えですか?」
「小官は白兵戦の指揮であれば得意ですが、ドラゴンは流石に専門外ですな。まぁドラゴンがメスであればまた話は別ですがね」
シェーンコップが肩を竦めながら言うと女性議員は顔を真っ赤にした。彼方此方から小さな笑い声が聞こえる。
「逆にこちらからお尋ねしますが、どうやれば犠牲者をゼロに出来るのですか?出来れば小官に御教授頂きたいものですな」
「……分かりました。戻っていただいて結構です」
シェーンコップは戻ってくるときも変わらず不敵な笑みを浮かべていた。こいつ、いつの間に人間を超えてドラゴンにまで守備範囲を広げたんだ?まさか特地でも既に1小隊ぐらい愛人を作っているんだろうか…。
それにしてもあの女性議員は何がしたいんだ?裁判でもやってるつもりなのだろうか。
俺が軽く睨みつけていると先ほど話していた解析部の男がそっと話してくれた。
「あの女性議員は最近噂になってる自由党の幸原とかいう議員ですよ。ことある事に軍を責めてきてるんですよ」
なるほど、今回の事は軍を叩く格好の材料と言う訳か。なにやらハイドリヒが幸原をじっと見つめているが、まさか粛清リストに載せるつもりか?……聞かないでおくか。
その後もレレイ、テュカと続けて幸原による質問を受け、どうやら自分の求める答えが一向に出ないことに苛立っているようだ。テュカのときなんか扱いが酷かった。”結構です”だ。普通はありがとうございましたと言うべきだろうに、それでも議員か?やっぱり日本人の議員って良くないやつが多いな。一度日本人を一掃してみるのもいいかもしれない。どのぐらい改善されるか見てみたいもんだ。
そう考えているうちにもロウリィの番になった。
「では、あなたのお名前をお願い致します」
「ロゥリィ・マーキュリー」
「では、あなたのキャンプでの生活を教えて下さい」
「簡単よぉ。朝、目を覚ましたら生きる、祈る、命を頂く、祈る、夜になったら眠る」
「命を……頂く?」
「そう、食べること、殺すこと、エムロイへの供儀。いろいろよぉ」
「分かりました。……ではあなたは見たところ大事な人を失ったようですが、その原因がロンディバルト軍にあるとは思いませんか?」
こいつまだ諦めてないのか?もうほとんどの議員はあきれ顔になってるぞ、中には端末をいじったり眠ってたりしている。まともに聞いてるのはマスコミと一部の議員、恐らくは自由党の連中だな。
ロゥリィが何やら言うとレレイがすぐさま翻訳した。
「質問の意味がよく分からないと言っている。ロウリィの家族は…」
レレイの言葉を遮るように幸原が話し始めた。
「資料によれば、ドラゴンの襲撃を受けた際、避難民の四分の一を犠牲にしておきながら、軍には死者どころか重傷を負った者すらいません。身を挺して戦うべきだった人間が自
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