美の四心《ビー・テイフル・ハート》との邂逅
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今日も今日とて日差し眩いお昼頃。
其れなりに続いた平和な時を、障子紙の如く易々と突き破り、またもや変態は現れる。
―――まぁぶっちゃけてしまうと正確には、グラトニーお弁当騒動から一日しか経っては居ないのだが。
「っと、今日はここか。やっぱどうみても、日本じゃないな」
「外国なんて久しぶりですわね。2回ぐらいしか出撃しませんでしたし」
「……良く覚えているな、イエロー」
その頃の当事者であった総二よりも、テレビ越しに見ていた頃の慧理那の方が、如何もアルティメギルについては詳しそうである。
しかも当の本人はそんな過去話よりもこれからどう戦うかの方に気が行っているらしく、うずうずと体を震わせ、若干ながら挙動不審にそわそわしている。
そんな彼女へ、曰く言い難い何とも微妙な思いを抱きながら、テイルレッドは周りに目を向けた。
今回は珍しく外国のビーチに現れており、日本の主にジメッとした夏とは違う、カラッとした澄み渡る、熱いのに何処か心地よい空気が辺りを包んでいる。
加えて場所はハワイ島―――常夏の楽園と言っても過言ではない、バカンスにはもってこいの場所だ。
視界一面に広がる青い海と白い砂浜、日本では余りお目に掛れない植物や樹木、雲一つない空がまた眼に心地よい。
そんなシチュエーションの中で、実に似合わぬ黒い影が其処ら中で蠢いていた。
「モケェー!」
「モケケ」
「モケモケッ!!」
……まあ何の変わり映えも無い、何時も通りにパンツを被った(様な頭の)戦闘員なのだが。
兎も角彼等は彼らで役目を果たそうと、観光客や現地の人間を、コレでもかとカサカサした動きで追いまわす。
彼らに追われる一般人もまた、(ほぼ笑い声な)悲鳴を上げながら右に左に(楽しそうに)逃げ回り、(笑顔で)表情を一色に染めていた。
「……ちょっとしたアトラクションになってるし……」
まだ燦々と太陽の光が降り注いでいるから分かり辛いが、時刻は既に放課後であり、総二達はアルティメギルの出現を受けて、学校から基地へ転移しそろって出撃したのだ。
……したのだが―――何故だろうか、テイルブルーとグラトニーの姿は見えない。
仲間が居ないのだし、不安に思っても良い筈なのだが、テイルレッドとイエローは原因を知っているのか動じる事はなく辺りを見まわしている。
と―――
「おやぁ……あなた達がこの世界のツインテール戦士、ツインテイルズさんですかぁ。お初お目に掛ります」
「うおっ!? 何だこいつ!」
唐突に声が掛り、手何時レッドはその方向を向いて、驚きの声を上げた。
砂浜に踵を付けず浮遊していたの
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