美の四心《ビー・テイフル・ハート》との邂逅
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めない。
「御待ちなさいお嬢さん達! 今私との戦いな最中だと言う事を忘れておりませんかな?」
否、一人一歩踏み出る者が居た。
モスギルディは勇敢にも挙手をし、彼女等の方へ距離的にも、話的にも踏み込んだのだ。
至極まっとうな台詞を前に、彼女達は口をそろえて―――
「だいたい協力して欲しいとかいったのアンタでしょうが! 合わせるのが筋でしょ!」
「……最初攻撃してきたの、ブルー。峰でも痛い……なんで巻き込もうとした?」
―――無視をしていた。或いは、耳に入っていないだけなのか。
……多分、いやまず間違いなく後者だろうが。
「これ見よがしに胸を揺らすからでしょ!! もう少し遠慮ってものを覚えなさいよ!!」
「……そうやってガッツくから、望むモノも寄り添わない……これ鉄則」
「あの〜、お嬢さん方? ギャラリーも見ておるこの最中、其処まで私欲むき出しに口喧嘩などするのは如何なものかと―――」
「ハッキリ言わないぶん、なんかムカつくわよそれ!」
「……五月蠅い……声も」
「第一味方同士なのですし、初の共闘なのですから、もう少し譲歩の気持ちを持ってですなぁ―――」
「“も” ってなによ “も” って!!」
「……自分で考えて」
「聞こえているのですか? もう少し慎みを持って行動した方が宜しいですなぁ。いや、涎の滲んだ唇もまた良い物なのですが!」
無視して、無視して、無視し続ける。
ギャラリーとしては何時ものテイルブルーの悪魔的怖さが緩和され、単なる少女と気な怒りを表に出していることと、グラトニーの意外な一面を見れた事で苦には思っていないようだが、当事者たるモスギルディとしては辛い物があるだろう。
何より彼もまた戦士。
当然の事柄を語っているのに、シカトされ続けるのは我慢ならない。
「アンタは遠距離! あたしは近距離! これで良いじゃないのよ!」
「……属性力が痛む。もっと食べたいから却下」
「御二人とも、あのです―――」
「ならどうするって言うのよ?」
「……遠近逆にすればグッド」
「あたしに砂でも投げてろっていうの?」
「うん」
「即答しないでよちょっと!?」
「御二人とも―――」
「譲歩した結果、これ」
「アンタってもっと常識的だったでしょうが! 食が絡むと暴走しがちなの止めなさいよ!」
「無理」
「即答するな!? ちょっとは対策考えなさいよ!?」
流石にこれには我慢出来なくなったかモスギルディは一気に、大量の息を吸い込んで胸を膨らませ―――
「御二人ともっ! いい加減にしな―――」
「「さっきからうるさい!!!!!」」
それをかき消すほど倍する怒号と共に、まず水流のオーラ―ピラーが拘束。
更にウェイブラン
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