美の四心《ビー・テイフル・ハート》との邂逅
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赦なく右左のコンビネーションを叩き込み、ジャブの要領で左腕へ【固定強化】を重ね掛けして来るべき瞬間に備える。
何度目かのワンツーパンチを重ね、フェイントを掛けて右で裏拳を打ち込む。
モスギルディが繰り出す腕の横薙ぎを屈んで回避し、一旦伸びあがってまたもフェイントを掛ける。
「そいっ……!」
「しまったぬはああ!!」
結果、見事に引っ掛かったモスギルディの顎ガードも虚しく腹へ爆風蹴りが炸裂した。
反動でまたも空へ跳び上がったグラトニーは左拳を構えて、
「どおりゃああぁぁああぁっ!」
「背中アアァァアアァっ!?」
直後にテイルブルーが上空から着弾する。
「……ぬぷっ……!?」
グラトニーが地味に吹き飛ばされる。
「まだまだまだぁ!!」
ブルーは次なる一撃で間欠泉の如く砂を吹き上げ、槍を杖代わりにして上体を起こすと連続で蹴りを繰り出した。
更なる猛烈な勢いでの連続突き(拳)で、モスギルディの身体を尽く叩いて行く。
「ハアアァァアァ――――――っ!」
「私はサンドバッグではなあぁぁあぁ!?」
半分ほど声に成らない叫びを上げて、テイルブルーはトドメのアッパーカット。放物線とはとても言えない鋭い曲線を描き、怪人の巨体が宙を舞う。
グラトニー目掛けて。
「……喰らえ……【ブレーク=マグナム】ッ!」
「理不尽な気もするぐっはあぁぁああ!?」
溜めこんだ威力を拳に乗せ、大砲から発射された見たく、一気にモスギルディを吹き飛ばして行く。
一直線な軌道を描き、巨体がまたまた宙を飛ぶ。
テイルブルー目掛けて。
「おっと!」
「あばばばばばば……………………!」
間一髪で身を翻し、テイルブルーはモスギルディとの衝突を回避して見せる。
拍など置かず、テイルブルーとグラトニーは両者ともに砂地を蹴りあげ、砂煙を上げて一足飛びにモスギルディと距離を詰めていく。
そのままテイルブルーは青色の槍を、グラトニーは柿色の腕を、轟音を上げて振り下ろした。
……その一撃がぶつかり合って止まった。
「さっきから何なのよ! あたしの邪魔ばっかりして!?」
「……こっちの台詞。何で邪魔するの」
「あんたが攻撃の軌道上に居るのが悪いんでしょ!? そもそもあたしを毎回巻き込んで!」
「……そっち、遅いのが悪い。ブルーこそ毎回お邪魔虫」
「「ぬぬぬぬぬ……!!」」
『(ウン、面白ぇから黙っトコ)』
本気で嫌悪している訳ではないようだが、それでも行き過ぎなぐらい互いの攻撃が食い違うからか、顔を突き合わせて睨み合っていた。
……気のせいだと信じていたのだが……。
あとラースの考えは何気に酷かった―――が、聞こえない為に誰も突っ込
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