美の四心《ビー・テイフル・ハート》との邂逅
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エローの声も、若干の怒気がこもっていたように感じられる。
「ふざけないでください! 女性の唇を何だと思っていますの!!」
『ええそうですね! 身の程を知らぬ言い方が全く持って気に入りません!! 慧理那さん、脱いでも良いので全力で粉微塵にしてやってください!!』
両者ともに怒り心頭、激昂して叫び続けている……しかし、対象とされたレッドは酷く落ち着いていた。
(いや、今までの前例から言ってキスしたいとかじゃないだろ、絶対……)
テイルレッドが言うように、趣味嗜好の属性力が結晶した生命体なのだから、そんなある意味生易しい物では無かろう。
……と言うか仮にキスだとしても、相手は見事なストロー状の唇―――もとい口なのに、それで一体どうやって接吻をすると言うのか。
勘違いする前に相手の装いをよく見た方が良い。
名前から“蝶々”だって分かるし。
「あははぁ、これは手厳しいですね〜、ハイ」
だが当のパピヨンギルディは、顔面目掛けて数発の雷弾を叩き込まれたにもかかわらず、煙を払いケロッとしている。
意に介さずと言った感じで既に攻撃へも移っており、背中から飛び散った鱗紛が空中で銅板の様な板を形成した。
「では、どうぞ行っちゃってください〜」
のんびりとした口調とは裏腹に、閃く様なスピードで銅板がテイルレッドへ殺到する。
「危ないっ!!」
唐突な交戦開始に反応できないレッドへあわや直撃―――その寸前でイエローが胸のアーマーから、一対のホーミングミサイルを射出して数発一辺に叩き落とす。
着弾時に轟く雷の爆風も合わせ、襲いかかる全ての銅板を瞬く間に吹き散らした。
ついでに胸の装甲も脱衣(意味的に間違ってはいない)され、キチッと肉感を持つ胸が射出の反動で揺れていた。
……何時もならここで、胸に対し強烈な執着心と嫌悪感を持つブルーからの私情丸出しなダメ出しが入ることだろう。
だが、今回はいない。
だから不要なツッコミが入る事も無く、戦闘は続行していく。
『ちょっと!? なに胸の装甲を真っ先にパージしてんのよアホイエローッ!!』
―――訂正。何処からか普通にダメ出しが返って来た。
如何やら少し遠方にいる様ではあるが、映像はないのにどうやって判断したのだろうか。発射時の音か。
『胸の装甲は最後も最後! 一番のピンチにハマって、それでも耐えに耐えてもう仕方がない窮地に陥った時に、断腸の思いで脱ぐのよ!』
「で、でもフォトンアブゾーバーという光膜が体を覆っていますし、装甲は別に関係ないと……」
『ヒーローになりたいなら胸を晒しちゃあダメでしょ!? そんなヒーロー居る!? 布みたいなアンダーウェア来てこれ
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