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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第533話】
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…甘えたくなったの」

「……そっか」


 小さくそう返事を返したお兄ちゃんは、私の頭を優しく撫でる。

 その心地好さに瞼を閉じ、ギュッと背中に回す腕の力を強くした。

 お兄ちゃんもそれに応える様に力強く抱き締めてくる――それだけでも美冬は嬉しくなっちゃう。

 ……でも――やっぱり。


「お兄ちゃん……キス、しよ?」

「ぅ……わ、わかった」


 助けてくれたお兄ちゃんへのお礼――勿論、何度お兄ちゃんとキスしても美冬は飽きないし、お兄ちゃんの事がより好きになっちゃう。

 いつか彼氏が出来る――そう思っていた時期もあったけど、今はお兄ちゃんさえ居ればいい――。

 ゆっくりと唇を重ねる私とお兄ちゃん、それだけで心臓の鼓動が高鳴り、舌を絡ませると頭がぽーっとしてくる。

 拙い私の舌に応える様にお兄ちゃんは激しく絡ませてきた――。

 唇が離れるその時、まだ物足りなかった私は軽く触れる様な口づけを交わし、お兄ちゃんを見つめると顔を赤くしながら視線を外していた。

 そんなお兄ちゃんの仕草に可愛いなと思っていると――。


「美冬、あんまり悠長にここで過ごしてる場合じゃなかった。 ……戻ろう」

「う、うん」


 顔は赤いまま、真剣な表情のお兄ちゃんに小さく頷く私。


「……その前に、美冬、どこか悪いところはないか?」

「だ、大丈夫だよ? 何でかわからないけど……さっきまでは美冬、織斑美冬だって思い込まされてたけど今はちゃんと有坂美冬だって記憶もあるし、ヒルトお兄ちゃんがお兄ちゃんって認識も出来てるもん。 ……お兄ちゃん、美冬を助けに来てくれてありがとうね?」

「当たり前だろ、妹――だからって訳じゃないが、美冬が大事だからな」

「……えへへ、お兄ちゃんに大事って言われたら、キュンキュンしちゃうよ……」


 高鳴る鼓動が抑えきれない私、だけど――二人の時間に終わりを告げるかの様に空間に亀裂が入り始める。

 不安になった私は咄嗟にお兄ちゃんの腕に抱きつき、成り行きを見守っていると目映い閃光が私達の視界を奪っていった。

 そして、次に気付いた時は私達二人は最初に訪れたドアのある空間に居た、目の前には既にみぃちゃんと美春以外の全員が居て、隣に居たお兄ちゃんの表情がさっきとは違って更に険しい表情になっていた。


『ヒルト、急いで! 未来に対する攻撃が強まってる!』

「ッ……! このまま未来の救出に行く!」


 表情に余裕のないお兄ちゃん――事態を理解するには情報が足りないものの、みぃちゃんが不味い状況だというのには直ぐに気付いた。

 離れていくお兄ちゃん――急に訪れる不安、だけど美冬は無理やり笑顔を作ってお兄ちゃ
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