第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#7
戦慄の侵入者U 〜Parasite Green〜
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る。
「こいつが! 「本体」!」
一瞥しただけで状況を把握し、紅い灼眼で花京院を鋭く射抜いたシャナは
流れるような動作で素早く刺突の構えを執る。
しかしその足裏を爆散させて大地を踏み切る前に、承太郎が叫んだ。
「そいつを攻撃すんじゃあねー! そいつは今ッ! この女を「人質」にとっているッ!」
「え? 人質?」
シャナが首だけで小柄な女生徒と格闘する承太郎に振り向き
紅い双眸を瞬かせた。
「この女ン中にッ! 今そいつのスタンドが取り憑いてやがるんだッ!
「本体」 を攻撃しようとすれば中からスタンドで喰い破るつもりだッ!」
「……くっ! 卑怯なッ!」
シャナは苦々しく歯を食いしばり刺突の構えを解く。
花京院はそのゾッとするような昏い瞳を今度はシャナに向けた。
「……君のことは、仲間達から伝え聞いている。
我らが宿敵、ジョースターと盟約を結んだ “フレイムヘイズ” だな?
ボク達 『スタンド使い』 の間でも有名だよ。
ジョセフ・ジョースターを始末する為に送り込んだスタンド使いを、
悉く闇に葬った 『スタンド使い狩り』
紅い髪と瞳を持ち、炎を自在に操るという事から叉の名を
『紅の魔術師』
少し待っていたまえ。空条 承太郎を始末したら次は君の番だ……」
「おまえなんかにやられるかッ!」
大刀を両手に構え、勇ましき声でシャナが叫ぶ。
「テ……テメェッ! 一体何者だッ!」
瞼の裏から吹き出る鮮血にその頬を濡らし、
口元を歪ませてながら承太郎は花京院を睨む。
目の前の少女の力は、留まるということを知らない。
「ボクのスタンドの名は 『法皇の緑』
君の祖父、ジョセフ・ジョースターと同じタイプのスタンドだ……
“ボクは人間だがアノ御方に忠誠を誓った”
だからッ!」
花京院が突如、前に突き出した白く細いピアニストのような指先を、
熟練の技巧で艶めかしく動かす。
「君を殺すッッ!!」
そう叫ぶと同時に、花京院はその両手を合わせて勢いよく前に突き出した。
「!!」
その動作へ合わせるように、吉田 一美が今度は両手でシャープペンを押し込んできた。
眼窩に食い込み始めたシャープペンが、
再び強烈に暴れ出し空間に鮮血の飛沫が迸る。
「がッ……! ぐぅッ……! う……おぉ……!!」
承太郎もその小さな躰を何とか引き剥がすように、
掴んだ腕と肩とに渾身の力を込めるがまるで効果がなく、
血塗れのシャープペンは鮮血と共にゆっくりと、
しかし確実に眼窩へと埋没していく。
(“封絶” を起こして、この女の腕を斬り落とす……ッ!)
一見冷酷だが、戦場で
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