第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#7
戦慄の侵入者U 〜Parasite Green〜
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慣れた手つきで傷口に包帯を巻きつけた。
その白い帯面が鮮血で朱に染まっていく。
無理に何度も動かした為、出血がひどいので承太郎は少女から貰った
包帯を幾層にも念入りに折り返して巻き付け、きつく縛る。
(ッッ!?)
不意に、背後から強烈な殺気を感じた。
「何ィッッ!?」
いきなり、後ろにいた吉田 一美がネコのシャープペンの手に握り、
その先端を承太郎の頸動脈に向けて振り下ろしてきた。
「くぅッ!」
間一髪、少女の凶行をなんとか手首を掴んで受け止める。
しかし少女の動きは完全には止まらず、
強引に掴んだ承太郎の両手ごとシャープペンの先端を
その奥に在る彼の顔面へと捻じ込んでくる。
「!」
そしてソレが、承太郎の左瞼の下に突き刺さった。
「な、何だッ! この力ッ!? 女のモンじゃあねえ!
まさかッ! 敵のスタンド攻撃かッ!?」
「そのとおり」
いきなり、背後で澄んだ声があがった。
「テ、テメーはッ!」
視線だけで振り返った承太郎の先に、
いつのまにかコートのような学生服を着た男が
腰の位置で細い両腕を組みながら立っていた。
「フッ……強靱なパワーも常軌を逸したスピードも、
“こうなってしまっては” 型無しだな? 空条 承太郎」
中性的な、美しい風貌をしているが同時に凍り付くような
冷ややかな視線でこちらを見ている。
「ボクの名は花京院 典明。初めまして、空条 承太郎。
そしてさようなら」
花京院と名乗ったその中性的な男子生徒は、
怜悧な美貌にゾッとするような冷たい微笑を浮かべてそう宣告した。
「ぐッッ!!」
吉田 一美の手に籠もる力が、より一段と強まる。
「本体」と「スタンド」との 『距離の法則』 による影響だ。
スタンドは、本体との距離が縮まれば縮まるほど、そのパワーが大きくなる。
「……」
顔前の少女の瞳は、まるでマネキンのように無機質で虹彩がなく焦点を失っていた。
その半開きの口の中に、緑色に発光するスタンドの頭部らしきものが見える。
「テ、テメーが! このスタンドの「本体」かッ!」
「フッ……その女生徒には今、
ボクの『幽波紋』が取り憑いて操っている。
ボクのスタンドに攻撃を加える事は、
“その女生徒を攻撃する”のと同義だぞ? 空条 承太郎」
承太郎の問いに微笑だけで応じ、花京院は冷たくそう言い放った。
「承太郎ッ!」
木々の隙間から、舞い落ちる青葉と共に紅い影が降ってきた。
異変を感じたシャナが駆けつけてきたらしい。
着地の衝撃で真紅の炎髪が大きく舞い上がり、鮮やかに火の粉を撒いた。
「おまえはッ!?」
予期せぬ乱入者に、花京院の視線が釘付けとな
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