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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十話 接待役は御免こうむります。
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帥本部総長や軍務尚書だった人よね、原作では」
「クラーゼン大将は幕僚総監として元帥の地位を得ていた人だったわね」

 ティアナとフィオーナがこもごもいう。

『ということなので、オールスター勢ぞろいっていう格好ね。そのなかでグリンメルスハウゼン爺様だけちょっとかわいそうな感じかな。まぁ、だからこそ、フィオーナ、ティアナ、爺様の補佐をよろしくね〜』

 二人はそろってと息を吐いた。こうしてモニター越しに自分たちを見ているだけだから、そんなお気楽なことが言えるんだとちらっと思う。だが、それは間違っていたし二人ともそれを良く知っていた。アレーナはアレーナで宮廷にたった一人で乗り込んでカロリーネ皇女殿下と渡り合った(かどうかはカロリーネ皇女殿下ご自身には自覚はないだろうが。)のだし、マインホフ元帥をうまくたきつけて、色々な改革や人事を操作しているし、日夜広大な情報網を捜査してラインハルトとキルヒアイスが足元をすくわれないようにも注意し続けている。女性士官学校の設立だって、アレーナがいなかったらどうなっていたかわからない。
 
 それに、何より一番二人がよくわかっているのは、アレーナの性格だった。一見飄々としているけれど、時には「お姉さん」として優しく、そして厳しく、けれどその心は温かいのだということを。

「アレーナお姉様」

 と、思わずフィオーナが優しく話しかければ、アレーナはうろたえて顔を赤くしてそっぽを向いた。

『その言い方は・・・・やめようね、フィオーナ』
「照れてる照れてる」

 ティアナがそっとフィオーナに耳打ちした。

『コラ!聞こえてるわよ!!とにかく、戦場でのことはあんたたちに任せたから。後はよろしくね』

 通信は切れた。フィオーナはちょっと困ったように笑い、ティアナは肩をすくめた。

「いずれにしても」

 フィオーナが親友を見た。

「この戦いは一つの正念場ね。ラインハルトとキルヒアイスも、そして教官もいない中で、私たちが頑張って帝国軍を負けないようにしなくちゃならないわね。もっとも、一少佐であり、まだ若い私たちがどれだけ戦局全体に影響を与えられるかは、未知数だけれど・・・・」
「負けないように?勝つことじゃなくて?」

 ティアナが不思議そうに言う。

「私たちが艦隊司令官であれば、そういうこともできたかもしれないけれど、残念ながら少佐でしかないもの」

 もっとも、自由惑星同盟にも多かれ少なかれ一流の将帥は存在するのだから、私たちが頑張っても難しいかもしれないけれどね、とフィオーナは言った。

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