第2話
ep.011 『室内にも雨は降るってコト、これ教科書にも出るからっ!』
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朝、おそらく5時前。朝という気が起きない現状。時間は『たぶん』だとか『おそらく』でしか測れない。太陽の光の無い地下では時間はとても大事なのだ。
身体を起こす。まだまだ目と頭が眠っているのだが、身体は不思議を眠たくなくダルッとした感じもしない。
取り敢えずは毎日の習慣として部屋を出る、朝食を探しにだ。
部屋を出て、机に座る。
ガタッ!!
扉が開いた。叶世。
「おう、お前にしてはあり得ないことだな。今日の予報は隕石か何かか?」
と、全くに笑えないジョークを瞬きをせずに、その死んだ魚のような目で言う。
「アホか。ちょっと昔の夢を見てただけだ。」
本当は全然違う内容の夢だ。背景は見たことがあるのに肝心な人物がいなかった、憎らしくも仲間意識の持てるあいつだ。だが、口はそうしか動かず本当のことを言わせてくれなかった。
「ああ、そうだ。全員でしたい仕事がある。今から全員起こしてくれないか?」
叶世が会議室の扉を指さしながら言う。
夢絶はそれに対して、
「無理なやつでいいか?」
叶世は何も言わなかった。それは『良い』と言っているのではなく、『駄目』と背中で語っていた。
ならしよう。
ビニール袋を用意する。それを天井にあるスプリンクラーのつなぎ目で結び、準備完了。
これやってこの前御臼ちゃんに怒られたっけ。
夢絶は、壁に掛けられたとある赤い箱の前まで行き、その箱にある『押すな』のボタンを押す。
ジリジリというサイレンが鳴り響き、全ての部屋に一斉に『恵みの雨』ならぬ、『目覚めの雨』が降り注ぐ。
「叶先ぱあぁいいいいいいいいいいいいいッ!!!!」
御臼が自室から怒っているのが聞こえる。
スプリンクラーは、5秒ほど降るとすぐに止んだ。これも、夢絶が使うからこういう風に叶世が変えたのだ。
(さ、さて。会議室に入っておくかな。)
夢絶は、御臼の怒った顔を想像しながら会議室に結構満面の笑みで入った。
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