3話 二つの記憶
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エミルの言葉でフェンスから手を離す。
「チャンスがあったとしても自分から手を出さないとそれを掴むことが出来ないと僕は思う」
「自分から…」
下へと続く階段から誰かが来た。
「何?昨日の続き?」
まどかを守るようにさやかが前に出る。
「いいえ、そのつもりはないわ」
「鹿目まどかと接触する前にけりをつけたかったけれど…今更それも手遅れだし。貴方も魔法少女になるつもり?」
ほむらは睨む。
「それは…」
「僕からしては二人には魔法少女にはなってないかな」
エミルの言葉にほむらは少し驚いた表情をする。
「願いを叶えたとしてもそれから戦い続けないといけない。それって大変なことだと思うんだ」
戦いがどれだけ悲しいことなのはエミル自身一番知っている。
まどかとさやかには戦いを知らないで普通に暮らしてほしいとエミルは思った。
「そう…」
教室に戻ろうと屋上から離れようとする。
「ほむらちゃん!ほむらちゃんはどんな願い事 をして魔法少女になったの?」
ほむらはなにも言わず階段を降りた。
放課後になるとまどかとさやかは魔法少女見学コースに参加するのでマミと一緒に学校を出るようだ。
「エミル様はどうするのです?」
姿を消したテネブラエがエミルに聞く。
「僕はいいかな。魔法少女の素質ないし」
「しかし彼女達は危険な目に遭うのですよ?」
「わかってるけど…けど今の僕は力のないただの人間。なのに危険な場所に行ってどうするの?」
「それはそうですが…」
「契約するときはちゃんと鹿目さん達を守る」
「あなたが決めたのなら私は従います」
「ごめん…テネブラエ…」
「いえ、私も焦っていました。危険な場所にいけばエミル様も契約せざる負えなくなるかもしれません。しかし今のエミル様は人間。その状態で亡くならればラタトスク様は永遠に半分の力を失います。そのときニブルヘイムを防ぐ扉を守れるどうか…」
エミルは寄り道をせずまっすぐ家に帰る。
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
「テネブラエも一緒に帰ったでしょ」
「ですが、ただいまと言ったらお帰りと言うべきでしょう」
「ならテネブラエも言って」
「は、はあ…ただいま戻りました」
「うん、おかえりテネブラエ」
エミルは笑顔になる。
私服に着替えてエプロンをして夕食を作る。
「いつも拝見していますがなかなか手際がいいですね」
「旅をしていたときは僕が料理担当だったからね」
鍋にパスタの麺を茹でて
フライパンにひき肉と人
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