第57話鍍金の勇者
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は仇を取ってくれたみたいで気分が良いんだ。全く持って胸が空いたよ。
キリトは痛みに泣き叫ぶ須郷に近付きーーー
「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
腰の辺りから出血エフェクトを噴き出させ、上半身と下半身を切り離す。大事な戦いだから本当はこんな事言いたくないんだけどーーーALOって、SAOに比べて出血エフェクトの表現グロいな。
そんなどうでも良い事を考えるのをやめてキリトの戦いに目を向け直すと、決戦が着きそうな場面になっていた。キリトは上半身だけとなった須郷の髪を掴み上げ、空中に投げる。そしてキリトが持つ《ドラゴンビート・巨人の信念》が、降下してくる須郷をーーー貫いた。そして剣に刺され、ダランと垂れた須郷の身体はーーー飛散する出血エフェクトとともに消滅した。
「ライリュウ」
キリトがオレを呼び、《ドラゴンビート・巨人の信念》を投げ返してきた。オレはそれを上手くキャッチし、軽く血を振り払うような動作の後、背中の鞘にしまう。
「ありがとう」
「何を今更。オレ以外に《ドラゴンビート》を使える奴はお前しか思い付かなかった・・・お前に須郷を斬って欲しかったんだよ」
これは正直な気持ちだ。オレはキリトの強さを知ってる。キリトは誰かが傷付いていたら放っておけない奴だ。オレも一応、自分ではそう思ってる。だからーーーオレは愛剣を託したんだ。
「それより、早くログアウトさせてくれよ。左腕やられてウィンドウが開けないんだ。出来るだろ?」
「ああ、そうだったな。アスナ、先にライリュウをログアウトさせる。あいつの兄貴が総務省の役人だから、須郷の処理もやってくれる。何より身体が・・・」
「うん、分かってる。わたしはそれで良いよ。ライリュウくん・・・ありがとう」
左手じゃないとシステムウィンドウが開けないってのはこの状態じゃ致命的だからな。とにかく今ALOで一番偉いキリトにログアウトさせてもらうしかないんだ。身体が痛いってのもあるけどーーーやっぱり、アスナさんの事を考えるとな。やっとキリトに会えたんだ、二人っきりにしてやりたい。未来の事は弾が何とかしてくれたはずだ、あいつに全部任せればオレはお役御免だ。キリトは管理者用システムウィンドウを出し、オレのログアウトをするためにウィンドウを操作してーーー途中で指が止まる。
「ライリュウ。あのさ・・・」
「?」
キリトの奴、どうしたんだ?何だか照れくさそうな顔してーーー
「あのさ、俺・・・お前の事を、兄弟みたいに思ってる」
「!!」
兄弟ーーー確かに自分でも、オレとキリトには共通点が多いと思ってる。育った環境も違うし、服のセンスや味の好みも違う。でもオレは、キリトがオレと似てると思った時がある。オ
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