第57話鍍金の勇者
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「なっ、何!?」
「ッ!!」
キリトが《ペインアブソーバ》による痛覚の遮断を完全に解除した。それによってオレの切断された左腕にさらに激痛が走る。でもーーーこの戦いだけは、絶対に見届ける。
「逃げるなよ。あの男はどんな場面でも臆した事はなかったぞ!!あの・・・茅場晶彦は!!!」
そうだ。須郷はもちろん、オレがここから逃げたら茅場に負けた事になる。少なくとも、茅場を倒したオレとしてはーーー絶対に目の前の戦いから背を向けねぇ。見守る立場だったら、最後まで見守る。
「か、茅・・・茅場ァァァ!!!そうか、あのIDは・・・何で・・・何で死んでまで僕の邪魔をするんだよぉぉ!?アンタはいつもそうだ!!何もかも悟ったような顔しやがって!!僕の欲しいものを端からさらってぇぇ!!!」
須郷は昔、茅場のフルダイブ技術の研究チームに所属していたって龍星が言ってた。毎回茅場と比べられて、いつしかこんな根性の曲がった奴になってしまった。それに関しては茅場にも責任があるんだろう。でもーーー
「須郷。お前の気持ち、分からなくもないぞ。俺もあの男に負けて家来になったからな」
そういやオレは見てなかったけど、キリトは茅場とデュエルして負けて《血盟騎士団》に入ったんだっけ?あいつもある意味、須郷と同じような事されたんだろうな。だけどーーー
「でも、俺はあいつになりたいと思った事はないぞ。お前と違ってな」
「この・・・ガキがァァァァァァ!!!」
須郷はキリトの言葉に怒りを爆発させ、《聖剣エクスキャリバー》を手にキリトに斬りかかる。一発、二発、三発、四発、五発、それをキリトは涼しい顔で弾き返す。むしろ返せない方がおかしい。
須郷の剣はちっとも力が込もってないし、逆に武器に振り回されてるようだ。どうやら本当にGM権限がないと何も出来ないだったみたいだな。素人でももっと良い動きするぞ。
須郷は《聖剣エクスキャリバー》の切っ先をキリトに向け、六発目の突きの攻撃を行うがーーーキリトはそれを避けて、《ドラゴンビート・巨人の信念》で須郷の顔を小さく斬りつける。
「痛ァァッ!!あぁ・・・!!」
「痛いだって?お前がアスナやミラに与えた苦しみは・・・こんなモンじゃない!!!」
オレみたいに肉体的に与えられた痛みは、時間が経てばその内消える。精々傷跡が残るくらいだ。でもアスナさんや未来のように精神的に与えられた痛みや苦しみはどれだけ時間が経っても、簡単には消えないんだ。キリトはそう言って、須郷の右腕を切り落とした。
「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!手がぁぁ!!!僕の手がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
今更何を言ってるんだか。さっきまでオレの左腕を嬉々として切り落とした男は誰だったかな?こちらとして
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