Vivid編
第十話〜大人〜
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てみろ」
ゲンヤは二人の娘やJS事件後に家族となった娘たちから、JS事件中にライが何をやらかしたのかを個人的に知っている。
そしてその内容から、ライという人間がどれだけ頭が回る人間かある程度知っているからこその言葉であった。
ここまで言われたライと言えば、先程頭を下げられた以上に内心が暖かくなり、感情がこみ上げていた。自分から信じるのではなく、相手から信じさせようとしてくる相手が自分のことをある程度理解しているからこその嬉しさ。それを感じたからこそライの心に言葉では表現できないが、心地よい何かに満たされる感触を覚えさせる。
「……少し面倒な話です」
「おう」
そんな出だしから、ポツポツとライは自身に絡んでいる様々な事柄を話し始めた。
ミッドチルダ・一軒家
ミッドの中でも高級住宅街と呼ばれる地域のある一軒家。その家のリビングでは、最低限の光源を頼りにコンソールとディスプレイに向き合う一人の男がいた。
カタカタとコンソールを叩く独特の音はせず、彼はディスプレイに映るデータをスクロールさせそれを事細かに閲覧しているようである。
「あら、まだ寝ていなかったの?」
「母さん、起こしてしまいましたか?」
薄暗いその部屋に、パジャマにカーディガンを羽織った女性が入ってくる。
ディスプレイを見ていた男性は、数年前から全く容姿の変わらないその母親である女性に向き直るようにして尋ね返した。
「いえ、起きたのはたまたまよ」
「そう……フェイトからメールがあって、来週には彼がくるそうなので」
そう言って彼が母親に見せたデータは六課時代の『ライ・ランペルージ』に関するデータであった。
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