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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#6
戦慄の侵入者 〜Emerald Etrange〜
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ッヴァァァァァァァァァ―――――――ッッッッ!!!!



 承太郎の左足膝下の部分が、まるで真空のカマイタチにでも
あったかのように突如ザックリと切れた。
「なに、イッ!?」
 苦痛(ダメージ)で身体能力機構の幾つかが強制キャンセルされ、
体幹のバランスを崩し大きく仰け反る承太郎。
 そしてその長身の身体が不可思議な力で引き上げられ、
見えない糸で操られたマリオネットのように宙へと浮き上がり、
やがて地球の重力に引っ張られて落下していく。
「承太郎ッ!」 
 シャナは反射的に小さく可憐な手の先を伸ばすが長さがまるで足りない。
「きゃああああぁぁぁ――――――――――!!
承太郎ォォォ――――――ッッ!?」
 たくさんの少女達の絶叫が背後で上がったのはその後だった。
「チィッ!」
 素早く肩から伸びたスタープラチナの腕が傍にあった杉の木の枝を掴んだ。
 弾力で枝が大きく(たわ)み、やがて荷重を支えきれず圧し折れる。
 承太郎は首筋を傷つけないように身を屈め、杉の葉と枝とをクッションにしながら、
眼下に在る石畳との激突に供えて肉付きの良い肩口をその接触面に向けた。
「ぐぅッッ!?」
 身を(こじ)るような衝撃。
 大量の呼気が意図せずに喉の奥から吐き出される。
「た……た……たいへんよ―――――ッ! 承太郎が石段から落ちたわ―――――ッ!」
 ようやく、目の前の現実を認識した女生徒達が一斉に承太郎の元へと駆け出した。
 その少女達の中には、余りのショックで石畳の上にヘタリ込んでしまった者や、
友人の腕の中で意識を失ってしまった者までいる。
「……」
 シャナは、承太郎が落ちた石段の上で静止していた。
 鮮血の滴る不安定な足場で付近を見渡し、周囲を警戒している。 
 その少女を一瞥した後、ようやく承太郎は自分の足の負傷を確認した。
 どうやら骨までは達していないようだが、皮膚が真っ二つに断ち切られ、
バックリとその内部の肉が裂けている。
 生々しい傷口から、大量の血液が流れ出していた。
(左足のヒザが切れてやがる……ッ! 木の枝? イヤ違うッ!
“落ちる前に” 切れていた。あの時、石段の中から緑色に光るナニカが見えた。
ソレに足を切られ、そしてその後見えない力で襟首引っ掴まれて
ブン投げられたんだ)
「……」
 早朝の「惨劇」が起こった神社の石段最上部から、
野次馬と化して殺到する無数の生徒達。
 それに紛れ、冷ややかな視線で承太郎を見下ろす一人の少年がいた。
 しかしその中性的な風貌と知性に磨かれた怜悧な瞳、
年齢に似合わない清廉な雰囲気から厳密には
少年という呼び方は似つかわしくない。 
 長身だがまるで女性と見紛うような細身の(からだ)
滑らかな
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