暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#6
戦慄の侵入者 〜Emerald Etrange〜
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まるで核分裂の連鎖反応の如く、
ネズミ算式に夥しく増殖していった。
「……」
 明るいそれらの声とは裏腹に、承太郎は苦々しげに学帽の鍔で目元を覆い
小さく舌打ちする。
 瞬く間に承太郎とシャナは数十人の女生徒達に取り囲まれ、
周囲に可憐な少女の環が出来上がった。
 思春期特有の少女達から発せられる、柔らかく甘い果実のような芳香。
 どれも標準レベルを軽くクリアする、愛くるしい容貌の美少女達だ。 
「承太郎? 4日も学校休んで何してたの? まさかまたケンカ?」
 シンプルだが品のある茶色いストレートヘアの女生徒が優しい声で
彼にそう尋ね、そしてさりげなく承太郎の腕に自分の腕を絡める。
「……」
 即座に承太郎は、鋭い眼光でその女生徒を一瞥した。
 それに(つら)れたのか隣で同様に何故かシャナも。 
「ちょっとあなた! 何いきなり承太郎にすりついてんのよッ!
馴れ馴れしいのよ! はなれなさいよ!!」 
 二人の中に割って入った、長いポニーテールの女生徒が
ムッとした表情で組まれた腕を引き剥がす。
「なによ」
「そっちこそなによ」
 その二人の女生徒はいきなり火花が散るような強い視線で睨み合い、
そして大声で口喧嘩を始めた。
「……」
「……」
 承太郎とシャナの歩く速度が速まる。 
「あれ? この子、誰?」
 ボーイッシュなショートカットの女生徒がようやく承太郎の隣で歩く、
シャナの存在に気づいた。
  数日振りに見た彼の存在で最高にハイになっていたのか、
その隣を歩く長い艶やかな黒髪を携えた凛々しい瞳の美少女の存在は
“見えていなかったらしい”
「やぁ〜ん。ちっちゃくてカワイイ〜〜♪ 人形みた〜い」
「あなた見ない顔ね? もしかして転校生?」
「何年何組? クラブは何に入るの?」
「どこに住んでるの? 帰りは電車?」 
「そのペンダント良いデザインね? どこで買ったの?」 
「――ッッ!!」
 これら矢継ぎ早の質問の嵐に、シャナは先程の承太郎同様
目元を伏せて奥歯をギリッと軋らせる。
「でも、ちょっと待って。空条君の「隣」で一緒に登校してるって事、は……」
 先程の黒髪の女生徒が宥めるように周囲にそう促す。 
 空条 承太郎の隣で一緒に登校する事。
 それは学園に通う多くの女生徒達の夢であり、
その彼の傍らは彼女達にとって殆ど「聖域」
或いは「天国」にも等しき場所であった。
 その神聖な「場所」に見ず知らずの美少女がいきなりちょこんといるのだから、
彼女達にとってはまさに青天の霹靂、驚天動地の出来事である。
「もしかして……まさか……承太郎の “彼女” ッッ!!??」
「!」
 ゼロコンマ一秒の誤差も無く一つになった女生徒達の驚愕。
 響き渡った少女達の声
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ