ー〈閃光〉対〈緋色〉ー
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巻き上げながら、猛攻を仕掛ける。 右手に構えられた細剣の刀身には、ソードスキルの起動を報せるライトエフェクトが輝いている。
「ーーハァッ!!」
「っ! 」
ーー 四連撃〈カドラブル・ペイン〉
迫る赤い槍の穂先を斬り払い、両肩、胸をめがけ三つの突きが放たれる。 そしてそれを即座に槍を引き戻したシィが、逸らし、弾いてみせた。 そして、反撃の一突き。
赤い火花が舞い、立て続けに甲高い金属音が響く。 互い躱しきれなかった刃がそれぞれに腕と首筋を掠め、赤いラインを刻み、極僅かなダメージを与える。
決定打こそ未だないが、徐々に蓄積されたダメージは多く、 アスナは三割、シィが二割HPを減らしていた。
「……ユーリくん、彼女はいったい何者だね」
コロッセオの中央、砂地のフィールドでアスナの細剣とシィの槍が激しく交錯するのを見ていたヒースクリフがポツリと呟いた。 この男にしては、珍しく驚いたような、それでいて呆れたような声音だった。
「……あいつは、セオリーとか完全に無視して、物理法則なんかも捻じ曲げる阿保だよ」
ーーしかも、超が幾つものつくほどの、ね。
その言葉に納得したのか、ヒースクリフはふっと小さく笑うと視線を中央へと戻しせば、槍を棒高跳びにみたて高くに飛び上がり、空中殺法をを披露するシィがいた。 これには、ヒースクリフも苦笑いを浮かべる。
「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」
「なんのことよ?!」
『紅い……彗星?!』
『まさか、専用機だと言うのか!』
『こいつ、ぬるぬる動くぞ!』
『ていうか、人間の動きじゃねえぞアイツ!!』
シィが叫び突き出された槍を細剣で弾き返しながら、アスナが吠えた。何気に観客たちのノリがいいのはさておき、彼らがなにより驚いていたのはシィの技量に対してだった。 〈閃光〉と名高いアスナの刺突を、逸らし躱し防ぐだけではなくそこからの反撃もまた凄まじく鋭い。
「「ハァァァァ!!」」
中央で強攻撃が衝突し、一際高い音を響かせると二人は弾かれたように後ろに大きく飛び退った。 油断なくランベントライトを構え、相手を見据えるアスナの息は少し上がっている。 一方、肩に槍を掛けたシィは戦闘中であるにも関わらず、無邪気に微笑んだ。
「いや〜、さすがに強いねアスナは」
「…………」
「まぁ、一筋縄じゃいかないとは思ってたけど……」
シィの言葉にアスナは応えない。 それほど真剣なのか、それともその余裕もないのか理由は定かではないが、荒い息を整えながら、会話などという暴挙に出たシィの出方を伺う。
「さて、体も温まってきたんで……」
肩から槍を外し、ひゅっ、ひゅっと宙を切り払うと、槍を短かく持ち穂先をアスナへと定め構える。
「
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