ENDの書
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に持ち、こちらに歩み寄って来ていた。
「大事な本なんだ」
ENDやマルド・ギール、冥府の門の悪魔たちを作り上げた存在・・・ゼレフが立っていた。
「ゼレフ」
「こいつが・・・」
ゼレフを初めて見たスティングさんやローグさん、グラシアンさんは彼を見てただ言葉を失っている。ゼレフはそんな彼らに目もくれず、一人の悪魔の元へと歩いていく。
「マルド・ギール。君はよくやったよ。ENDが甦るまであと一歩だった」
マスターであるENDが不在の中、実質的な冥府の門の指揮官となっていたマルド・ギール。圧倒的な力を持ち、俺たちを見下し続けていた彼も、創造主の前では威厳も何も感じられないほど怯えきった表情をしている。
「もう眠るといい」
彼の前に立ち、以前見たのと変わらぬ寂しげな目のままそう告げるゼレフ。それを聞いたマルド・ギールは、恐怖している。
「マルド・ギールは・・・あなたの望みを・・・叶えることは・・・」
「君には無理だ」
手を伸ばし、懇願するようなマルド・ギール。ゼレフはそれに対し冷たくそういい放つと、指をパチンッと鳴らす。
それと同時に、目に涙を浮かべていた悪魔は、本へとその姿を変えてしまった。
「「「「「「!!」」」」」」
抵抗することもできず本へと戻されるゼレフ書の悪魔。ゼレフはそんな彼に背を向けると、マルド・ギールの本は火に包まれ、一瞬のうちに燃え尽きてしまった。
「お前・・・自分の作った悪魔なんだろ!?」
「燃やすなんてひどいですよ!!」
あまりの仕打ちに敵であったグレイさんと俺も彼に同情する。ゼレフはその声を聞き、静かにこちらに振り返る。
「そうだね。もういらないからね」
いつも通りのようにも見えるし、悲しそうな表情にも見える黒魔導士。そんな彼に、スティングさんやグラシアンさんは、歯を剥き出しにして怒りを感じている。
「僕は今日君と決着を付けるつもりでいたんだ」
「あぁ?」
突然ナツさんにそんなことを言い出したゼレフ。ナツさんは彼が何を言いたいのかわからず、目を細めている。
「だがアクノロギアという邪魔が入った。彼がもう一度歴史を終わらせるのか、奇跡を起こすのか・・・僕にはわからない」
「何言ってやがる」
上空でぶつかり合うアクノロギアとイグニールを見上げそう言うゼレフに、ナツさんは意味がわからずさらに目を鋭くさせる。黒魔導士はナツさんに視線を戻すと、彼のことをじっと見つめている。
「もしもこの絶望的な状況を生き残れたら・・・その時は・・・
僕がさらなる絶望を与えよう」
瞳を赤くして淡々とそう告げるゼレフ。ナツさん
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