ENDの書
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としたイグニール。しかしその時、彼の前足によって押さえ付けられていたアクノロギアが、咆哮をあげながら起き上がったのだ。
「「くっ・・・」」
それにより周囲に突風が吹き付ける。あまりの強風に、俺やナツさんは顔を反らしていた。
オオオオオオオオオッ
「イグニール!!」
イグニールとアクノロギア、二頭のドラゴンは再び上空へと飛び上がっていく。
「こいつを片付けてからだ!!本を手に入れろ!!」
「イグニール!!」
息を吹き返したアクノロギアを見据えるナツさんのお父さん。空高くにいる彼らに、もう俺たちの手は届かない。
「今・・・」
「なんて?」
「本?」
イグニールがナツさんに言った言葉・・・それがどういうことなのかわからないグラシアンさんたち三大竜は、上空でぶつかり出した二頭のドラゴンを不思議そうな顔で見上げている。
「こいつのことだろ?」
そう言って一冊の本をみんなに見せるは氷の悪魔へと進化した青年。その手に握られていたのは、ENDと表紙に書かれた書だった。
「ENDの書」
「グレイ・・・」
本を片手に持つ黒髪の青年と桜髪の青年とが互いににらみ合う。一度落ち着いたかと思ったが、やはりこうなっちゃうのか・・・
「約束したんだ。必ずENDを倒すと」
「テメェ・・・」
父の願いを受け本を破壊しようとするものと、父からの依頼で本を手に入れようとするもの。両者の想いは食い違い、互いを敵のように見据えている。
「ナツさんもグレイさんもよしなって!!」
「これだから妖精の尻尾は」
一触即発の雰囲気の彼らを見て、スティングさんとローグさんは地に伏したままそう言う。俺は一体どうするべきなのか、悩んでしまい、ただアタフタしているしかできない。
「シリル」
「??」
そんな俺のことを、地に伏しているうちの一人、グラシアンさんが呼んでいる。正直今それどころではないのだが、もしかしたら何か二人を止める方法なのかもしれないと思い、近寄って耳を傾ける。
「シリル、俺の言う通りにしてくれ」
「え?は・・・はい!!」
本当に何か止める方法を思い付いていた様子の幻竜。俺はしゃがんで彼の案へと耳を貸す。
「ゴニョゴニョゴニョゴニョ」
「え?そんなので止めれます?」
「大丈夫、自信ある」
グラシアンさんの意見を聞いてみたが、正直そんなことで止められるような気はしない。でも、彼はよほど自信があるらしく、真っ直ぐな目でこちらを見ている。
「わかりました」
彼の目があまりに真剣だったため、思わず承諾してしまった。
それから俺はナツさんとグレイさん、二人が睨み合っている方を向き、二人の名前を叫ぶ。
「ナツさん!!グ
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