第70話
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「クスクス、クロスベルには一切手を伸ばしていないからレンのスパイはクロスベルの組織にはいないわよ。」
「そ、そうか………というかどうして君は二大国に対してスパイを送り込むような危険な事をしているんだ?」
「全て”ブライト家”――――”レンが手に入れた新しい家族を守る為”よ。」
真剣な表情をしているロイドの疑問にレンは静かな表情で答えた。
「その為だけに国家の諜報機関にスパイを送るなんてどう考えてもやり過ぎだろ………」
「あら、レンの今の祖国―――リベール王国は二大国に挟まれた小国の上かつて帝国に領土を狙われて戦争を仕掛けられたという過去があるのだから、二大国の動きには注意すべきじゃないかしら?」
「『百日戦役』か…………」
「うふふ、クロスベルだって他人事じゃないでしょう?―――いえ、むしろクロスベルの方がリベールより不味い状況でしょうね。」
「洒落になっていないぞ………まあ、その話に関してもまずは今の状況を乗り越えてからの話だな。」
意味ありげな笑みを浮かべたレンに問いかけられたロイドは疲れた表情で溜息を吐いた後気を取り直した。
「そうね。そして恐らく今回の件が”レンが特務支援課に出向している間のレンが関わる最後の大事件”になるでしょうね。」
「へ…………それってどういう意味だ?」
「あら、忘れたのかしら?元々レンの特務支援課の出向期間は2,3ヵ月よ。」
「あ………………」
レンの指摘を聞いたロイドは呆けた声を出した後複雑そうな表情で黙り込んだ。
「うふふ、もしかしてレンが支援課から出て行く事が寂しいのかしら?」
ロイドの様子を見たレンはからかいの表情で問いかけたが
「ハハ、そうだな………正直言って寂しいよ。短い間とはいえ、レンも支援課の一員としてずっと一緒に生活してきたからな。」
「…………ふふっ、そう言う事に対しても正直に答えるのがロイドお兄さんの良い所でもあり、悪い所でもあるわね。」
ロイドの本音を知ると一瞬目を丸くして呆けた後静かな笑みを浮かべてロイドを見つめた後話を続けた。
「ガイお兄さんに支援課が一人前に近づけるように手伝ってくれって頼まれた当初は正直不満はあったけど、今は支援課に来てよかったと思うわ。」
「そうか………それにしても兄貴も俺達の事を心配し過ぎだよな。わざわざ他人に頼んでまで、俺達が少しでも早く一人前に近づけるようにしているんだから………」
「うふふ、たった一人の血の繋がった家族で、しかも今まで連絡一つ寄越さなかったのだから、その”お詫び”代わりかもしれないわよ?」
「悪いと思っているなら、そんな回りくどい事をせずに直接俺の前に現れて自分の生存を知らせてくれよな…………支
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