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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四五話 和合
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れますわ。」
―――もう少し脚色すれば、さぞ面白い英雄譚となるだろう。
言外に藤原はそう言っていた。
「そう……そういう事、貴方達の目的が見えて来たわ。」
如何に権謀に疎い恭子であろうと、此処まで露骨な暗喩に分からないハズがない。
「あらあら、それでは私どもが何か
謀
(
はかりごと
)
をしているかのようではないですか。ただ、私は篁中尉に一人の女として同情と共感を覚えると言っているだけですのに。」
「―――」
嘘ではない、しかし真実でもない。恐らく、そういった感情的なことは含まれてはいるが占める割合は大きくても3割と言ったところか。
(この男を英雄に仕立て上げて何をする気なの崇継………?)
唯依を番わせ、斑鳩家に養子入りさせることで家格と血筋の繋がりを作り出した。そして、篁家に入るのが確定であるというのを利用し、この男が理想とする兵器を作り出せる立場を与えた。
そして、今回の手術―――彼を英雄に仕立て上げようとする段取りが取られているのは明々白々。
相手の目的が分からなければ対策は不可能………迂闊に動いては篁と嵩宰の家にとって致命傷となる可能性がある。今は黙って見ているしかない。
「いいわ、今回は引いてあげる。―――でも分かっているわね、あの子を不幸にしたら許さないわ。嵩宰恭子としてではなく、一人のあの子の肉親として。」
「無論、寧ろそれこそ本懐だ。」
睨みつけながらくぎを刺す恭子に挑戦的、あるいは自嘲的とさえ受け取れる苦笑でもって忠亮は返すのだった。
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