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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四五話 和合
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私は親切に……」
「唯依のスリーサイズなら知っている。」
「………………………………………………そうか」
珍しく呆然とした顔のまま固まった義兄が長らくの間を擁してそれだけを口にできた、全く以て雅ではない。
そんな義兄に冷めた視線を注いでいると、トンっと肩に手が置かれる。いや、肩がわしづかみにされた。
「ちょっとまって、崇継はともかくなんで貴方が唯依のスリーサイズを知ってるのかしら?」
―――まずった、底冷えするほどに冷めきった嵩宰の鬼姫の声。そして徐々に握力を増してゆく掌に肩がミリミリと軋みを上げつつある。
さて、どう釈明しようモノか……と微妙に他人風味に施行をめぐらす忠亮。
「まさか、貴方唯依を手籠めにしたんじゃないでしょうね。」
―まさに鬼が居た。
「ふふふ……恭子様、それぐらいでお止めなさいな。野暮は犬も食いませぬ。」
そのやり取りを傍観していた山吹を纏う女性軍人、藤原が微苦笑を湛えながら介入する。
「惚れた男に誘われたのなら一も二もなく乗ってみるのも一興でしょう。大尉のような手ごわい御仁には貴女様を含め色々言いたいでしょうが―――何、然程心配せずともそう悪いモノでは無いと思いますわ。」
「藤原殿……それは貴殿の経験であろうか?」
「さぁ、それはどうでしょうね………」
くすくすと口元を隠した微笑で煙に巻く藤原。
「しかし、篁中尉も情の深い娘。無理に引き離せば静御前と同じ道を辿るやもしれませんね―――蛙の子は蛙ですからね。」
「藤原殿、それは侮辱で在りますでしょう!」
意味深なやり取り。それは唯依の両親のどちらかが以前に色恋沙汰で何らかの問題を生じさせたという意味を知るには十二分だ。
―――尤も、己は既に真相を知っている。そして、彼女に腹違いの兄がいることを。
――――そして、その腹違いの兄が唯依をその手に掛ける可能性があることを。以前の輪廻に於いて何度かそういう展開があった。そして、それを間一髪で防いだことも何度もある。
故に、不知火弐型ではだめなのだ。武御雷ではダメなのだ。
奴に確実に勝利するには、相手に情報の無い武器で戦うのが一番勝率が高い。
戦術機の操作技能では天地引っ繰り返っても己は、あの男には勝てん。ならば戦術で勝つしかない、そして今の肉体では満足に戦うことすら出来ない。
疑似生体移植を受けても、そのリスクを抱えたまま勝利できる相手ではない。
―――相手が未熟な内に狩れれば一番行幸だが、恐らくその機会は無いだろう。
「嫌ですわ、私は人の恋路を邪魔するものではないと言っているのにすぎません。ましてや我らは斯衛の軍人、何時命を落とすかもしれぬ身の上。その心境、想像しただけで胸が締め付けら
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