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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四五話 和合
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。」
「和とは本来、同調圧などではなく。多様な価値観を認めた多様性、明確な住み分けと分化によりその在り様を如何様にも変幻させる自由性―――それらを包括したものが本来、和と呼べるものではないだろうか。
私は篁公のこの言葉と、日本の歴史から斯様に受け取ったよ。」
「そうなのかもしれないな―――そういう意味で見れば、斯の機体構想は和の具現化とでもいうべき品物かも知れないな。」
義兄の言葉に首を縦に振る。
無法と自由は違う、多様と混沌は違う……そんな当たり前の違いがごっちゃになっているのが現代だ。
本来の意味を履き違え、その言葉の真実の意味が忘却されつつある事柄は多い。武家の在り様も含め、日本は一度原点を振り返る必要が来ているのかもしれない。大和という原点に。
「……それにしても、呆れるぐらい採用されている技術がATRXと被っているな。むしろ此奴が薄明計画の本丸といったところか。
―――全部お膳立て済み、という事か。」
「そう怒るな、計画の違いは開発ベースが既にあるかないかの違い程度だよ。」
「怒ってはいないさ―――だが、だれかの意図で踊らされたというのは気分がいい話じゃない。」
以前の会議の様子を思い出す―――振り返ってみれば、あの会議で己が口にする内容をこの義兄はすべて想定済みで予定通りだったという事だ。
自分の意志で動いてきたことだが、それが誰かの思惑通りであったという事実は気持ちが悪い。
そう、薄明計画で開発されるはずの不知火の次の段階となる新型機とは未だ影も形もない段階だったはずだったのだがその基礎は既に出来上がっていた、という訳だ。
「まぁ、仕事はやりきるさ。必要なんだろ?日本が之からを生き延びてゆくのに―――ならば是非もないさ。」
「お前のそういう度量の大きいところは好感が持てるな、――頼んだぞ。」
「ああ、任せられた。だが―――嵩宰の御当主殿、貴殿はどうされる?貴女の許可が無ければこの計画は水泡に帰すだけだ。」
隣に居た蒼を纏う女性を見やる忠亮………その目が怖いとさえ思う。
まっすぐで、何もかもを貫いてしまうような目。よく唯依はこんな目を真正面から見つめれるどころか好感を持てるものだとさえ感心する。
彼は揺らがない、迷わない、そして折れない。
そんな目が言葉と共に問いかけてくる――――『どうするのだ?』と
今の状況では斑鳩崇継の思惑に便乗するしかない、しかしそうすればもう後戻りはできない―――巌谷とも政治的決別をするかどうか。
この計画に賛同すれば巌谷等の派閥と政治的に完全決裂する可能性があるのだ。理由は単純、不知火弐型は旧式化したF-4を不知火一機当たりの性能を強化することでそう戦力の穴埋めをするための機体。
その次の段階
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