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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四五話 和合
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が斑鳩家内に取り込む手筈としては簡単で手っ取り早い。
しかし篁中佐、そして分家筋の娘の死によって大きく動いた状況を上手く纏めつつも、自分の発言権を強化している……非常に強かだ。
「別に誇る気はない、己の強さはそう誇れるような動機で身に着けたものじゃないからな。
だが、そのおかげで唯依と出会えたのならそれは――少し、嬉しいことだ。」
「……貴方も笑うのね。」
振り返る、始まりは禄でもない渇望。
大切な誰かを守る
英雄
(
ヒーロー
)
に/大切な誰かの危機を望む外道
その過ちに気づくこともなく岩をも通す妄念のまま……ただ、走り続けて―――気づいたら後戻り出来ない場所にいた。
それが報われた、その出会いに感謝し喜ぶのは当たり前の話だ。だからこそ、今へつなげてくれたゆいに対し感謝を親愛の感情を持てる。
アイツとの約束がなければ己は到底今まで生きてはいなかっただろう。
「嬉しいことがあれば笑いもするさ。―――人間だからな」
そういって苦笑する忠亮。それは唯依と同じ陽性の笑み。
酷く穏やかで、少しだけ物悲しい―――だけど、とても暖かい笑顔だった。こんな顔も出来るのか、と正直に驚きを隠せない恭子。
「しかしこんなものを篁中佐が設計していたとはな……」
「これがその詳細資料だ。」
複雑な表情でモニターへと視線を戻す忠亮に真壁助六郎がファイルを渡してくる。それを受け取り左腕と口を使いページをめくる忠亮。
そして、その中身を視線で追うたびにその目の見開きが大きくなっていく。
「……驚いた、己が考えていた構想を実現可能レベルにしているだけじゃない。もう一歩先に進んでいる。」
「どういう事?」
「簡単に言えば、各ブロックが独立して連動することで相互にバランスを補正し高めあう設計だ。
ある意味、昆虫的と言い換えてもいい。人間の脳のように一極集中型の情報処理ではなく、各ブロックが自分が動く動作を自分で調整して実行する事で全体としては高次元のバランスを構築するようになっている。」
日本のように全体のバランスを予め設定し、それに合うように各部を調整するのでも。
アメリカのようにバランスのいい個々の部位を組み合わせて全体のバランスを作り上げるのでもない。
まったく別の設計概念だ。
「和を以て貴きと成す―――それ自体は立派な言葉ではあるが、一種の呪いでもある。
和を求め一つにしようとする行いは不和を生む原因となり本末転倒となる。故、この言葉の意味は一つに成ろうとする事であると考える。―――これは人だけではなく、戦術機にも当てはまるのではないだろうか。
………資料に添付されたメモにはそのような記述があった。」
「つまり、篁中佐なりの和を形にした設計思想だったのか
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