第69話
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だったら、俺は俺として凄くなれればいいんじゃないかと思ったんだ。」
「!」
ロイドの本音に驚いたランディは目を見開いてロイドを見つめた。
「まあ、どんな風に凄くなるのかはまだわからないけど………キーアも引き取ってみんなも一応引っ張ってる立場でウジウジ悩んでもいられないだろう?幸い、ランディ達も助けてくれるし、俺が凄くなくても何とかやれる………だったら今はその状況に甘えさせてもらおうと思ってさ。」
「はは………なんだよお前………もう十分、一人前のツラしてんじゃねーか。」
「ランディはさ、わかってたんだろう?兄貴の背中を追い続けてるだけじゃいずれ俺が行き詰まるって………」
「………まーな。だが、そうして挫折すんのもお前の糧になるんじゃねーかと思った。しかし、まさか挫折する前に自分で気付いちまうとはなぁ。」
「はは、俺一人だったら気付けなかったと思うけどね。―――だから、あの時、カッコ付けて聞かなかったことを聞いてみたいと思ったんだ。兄貴みたいに俺の成長を見守ってくれた誰かさんのことをもっと知りたいと思ったから。」
「………ハハ………………」
ロイドの言葉を聞いたランディは寂しげな笑みを浮かべた後ロイドに背を向けて黙り込んだ後、ロイドに背を向けた状態で話しかけた。
「―――なあ、ロイド。お前、俺が今までどれだけ戦場で敵を殺してきたと思う?」
「………想像も付かないな。多分、俺の生きていた世界とはかけ離れた所の話だろうから。」
「クク、正解だ。俺も正直覚えてねぇくらいだ。……物心付いた時から戦場という世界で生きてきた。4つの時にナイフを渡され、6つで拳銃の撃ち方を習った。……実戦は9歳だ。親父の部隊で斥候として働き、ふたりの敵兵を殺した。そして12で小隊を、14で中隊を任されて………5年間………犬のように戦場を駆け回った。」
「…………………………」
ランディの話を聞いて驚いたロイドは目を見開いて黙り込んでいた。
「………だが、俺は逃げた。ガルシアのオッサンみてぇに望まれて抜けたわけじゃねえ………クソみたいな殺し合いに嫌気が差したわけでもねぇ……ただ、何かを見失って戦場からさ迷い出てきただけだ。腐った死人みてぇにな。」
「…………………………」
「その後、あちこちさ迷って、最後にクロスベルに流れ着いて………警備隊に潜り込んだはいいが、ライフル使うのを拒否ってたら阿保司令にクビにされかけて………そして課長に拾われて………何故かこんな場所に立っている。それが俺………ランドルフ・オルランドって男だ。」
「ランディ……ありがとう。話してくれて。」
「ったく………お前、Mっ気でもあるんじゃねえか?どうしてこんなクソみてぇな野郎の過去を
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