第69話
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そ持ってねぇが練度も高いし、個人レベルじゃ最高の武装が供給されている。いくら最新のビルとはいえ、要塞でもない民間施設がそうそう保つもんじゃねぇだろ。」
「やっぱりそうか………となると、何とかして警察本部や遊撃士達とも合流して連携する必要があるな………せめて通信が回復するまではこのビルを守りきらないと。」
「ま、そういうこった。………ったく、こんな事ならアレを持ってくるんだったな。」
「アレ?」
ランディの言葉を聞いたロイドが不思議そうな表情をしたその時
「……………………俺が2年前まで使っていた導力ライフルだ。とてつもない火力を持った、な。」
ランディは考え込んだ後ロイドに背を向けて説明した。
「そうか猟兵時代の…………”赤い星座”だったか。あれから少し調べたけどその筋ではかなり有名みたいだな?」
「ハハッ………”悪名高い”の間違いだろ。大陸西部最凶の猟兵団……戦場を蹂躙する赤き死神……ちょっと前には、共和国方面で”黒月”とやり合ってたらしい。それこそ正真正銘の殺し合いをな。」
「……そうなのか……………………………」
「………悪ぃ。引かせるつもりじゃなかった。ま、警備隊が本気を出したらかなりヤバイことになるだろう。しかも配備されたばかりって話の新型装甲車まで持ち出されたら―――」
自分の話を聞いて考え込んだロイドの様子に苦笑したランディは謝罪した後話を戻そうとしたが
「―――なあ、ランディ。前に言った事だけど………撤回させてもらってもいいかな?」
「へ………」
自分の話を中断し、予想外な事を口にしたロイドの言葉を聞くと呆けた。
「旧市街のレースの後の話さ。兄貴みたいな一人前になるまでランディの過去は聞かないっていう。」
「あ…………」
「―――前にも話したけど兄貴は俺にとってヒーローみたいな存在だった。課長やダドリーさん、アリオスさんも言ってたけど……そこにいるだけでどんな逆境も何とかしてくれるって思わせてくれるような人だった。」
「……らしいな。ったく、どんだけ化物じみたヤツだっつーの。」
ロイドの話に頷いたランディは溜息を吐いた。
「はは、別にそこまで腕っ節が強かったわけじゃないと思うけど。………最初はさ、そんな兄貴の代わりにならなきゃいけないと思ってたんだ。じゃないと、クロスベルに俺が戻ってくる資格はない…………死にものぐるいで捜査官資格を取って今まで頑張ってきたけど……やっぱり………どこか無理があったみたいだ。」
「………そうか…………しかし、その割にゃ妙にスッキリした顔をしてやがるな?」
「ハハ、まあね。……そこまで行くと逆に変な風に前向きになってさ。俺は兄貴みたいには凄くなれない……………―――
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