外伝〜相棒〜
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らってもいいかな?」
「へ………」
自分の話を中断し、予想外な事を言ったロイドの言葉を聞いたランディは呆けた。
「旧市街のレースの後の話さ。兄貴みたいな一人前になるまでランディの過去は聞かないっていう。」
「あ…………」
「―――前にも話したけど兄貴は俺にとってヒーローみたいな存在だった。課長やダドリーさん、アリオスさんも言ってたけど……そこにいるだけでどんな逆境も何とかしてくれるって思わせてくれるような人だった。」
「……らしいな。ったく、どんだけ化物じみたヤツだっつーの。」
ロイドの話に頷いたランディは溜息を吐いた。
「はは、別にそこまで腕っ節が強かったわけじゃないと思うけど。………最初はさ、そんな兄貴の代わりにならなきゃいけないと思ってたんだ。じゃないと、クロスベルに俺が戻ってくる資格はない…………ルファ姉からは兄貴になる道ではなく、俺自身としての目指す道を目指せばいいって言ってたけど、俺はそう思えなくて、死にものぐるいで捜査官資格を取って今まで頑張ってきたけど……やっぱり………どこか無理があったみたいだ。多分、ルファ姉は最初からそれがわかっていたんだろうな…………」
(………例え兄弟とはいえ、決して同じ人物にはなれないわ。)
ロイドの話を聞いていたルファディエルは静かな表情で呟き
「………そうか…………しかし、その割にゃ妙にスッキリした顔をしてやがるな?」
ランディは頷いた後口元に笑みを浮かべて言った。
「ハハ、まあね。……そこまで行くと逆に変な風に前向きになってさ。俺は兄貴みたいには凄くなれない……かと言ってルファ姉みたいな正面からぶつかる兄貴とは真逆の凄さ―――智謀や策によって相手を嵌めるような活躍で凄くなれないし、多分俺には合ってない………―――だったら、俺は俺として凄くなれればいいんじゃないかと思ったんだ。」
「!」
そしてロイドの言葉を聞いたランディは目を見開き
「まあ、どんな風に凄くなるのかはまだわからないけど………キーアも引き取ってみんなも一応引っ張ってる立場でウジウジ悩んでもいられないだろう?幸い、ランディ達も助けてくれるし、俺が凄くなくても何とかやれる………だったら今はその状況に甘えさせてもらおうと思ってさ。」
(フフ、ちゃんと自分の事をわかっているわね。)
「はは………なんだよお前………もう十分、一人前のツラしてんじゃねーか。」
ロイドの話を聞いたルファディエルは微笑み、ランディは笑った後感心してロイドを見つめた。
「ランディはさ、わかってたんだろう?兄貴の背中を追い続けてるだけじゃいずれ俺が行き詰まるって………」
「………まーな。だが、そうして挫折すんのもお前の糧になるんじゃねーかと思った。しかし、まさか
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