第102話
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状況は如何ともしがたいですわね。警察本部やタングラム門とも連絡が途絶しているのだったかしら?」
「はい……何度か連絡してみたんですが。」
「………何らかの理由で通信妨害がかかっているようです。導力ネットワークによる連絡を試すことはできないんでしょうか?」
マリアベルに尋ねられたロイドは頷き、ティオは説明した後尋ねた。
「………どうやら何者かによってジオフロントの導力ケーブルが遮断されているらしいですわね。何とか迂回ルートを確保すれば通信網を回復できると思いますが……」
「ならば技術スタッフに最優先にやらせたまえ。警察本部、タングラム門、遊撃士協会との連絡は勿論だが……市内の各端末との連絡も取れればさらに状況も掴めるようになるだろう。」
「わかりましたわ。」
ディーターの指示にマリアベルは頷いた。
「そして………もう一つの心配はキーア君か。」
「はい………操られた警備隊が俺達を執拗に追った目的はキーアの可能性が高いと思います。」
「実際、俺達に発砲した時はほとんど威嚇射撃だったしな。一方、しんがりの課長たちには容赦なく撃ってきてたみてぇだ。」
「キーアは決して傷つけずに身柄を奪い取れ……そんな風に操られているのかもしれませんね。」
ディーターの言葉にロイド、ランディ、ティオはそれぞれ答えた。
「まあ、あれだけ可愛かったら攫いたく気持ちもわかりますけど。ヨアヒムといったかしら?随分、不気味な男みたいですわね。」
「いや………正直、彼が何を考えているのかはっきりとした事はわからないんです。何のためにキーアが必要なのか………白いファイルの最後にあった写真がどこで撮ったものなのか……」
「………そもそもキーアちゃんがどうしてあの競売会の場にいたのかそれすらもわかっていないの。あの子の記憶が戻っていたら手掛かりにはなったんでしょうけど……」
「なるほど………歯がゆいですわね。」
「いずれにせよ、これだけの事態を引き起こしたと思われる人物だ。恐ろしく危険な男であるのは間違いないと思った方がいいだろう。君達をこのビルに匿ったのは簡単には特定できないだろうが………万が一の事はあり得る。」
「……はい。」
「そうッスね………」
ディーターの予測にロイドとランディは真剣な表情で頷いた。
「各所との連絡などは引き続き、IBCのスタッフにやらせておく。キーア君達も休んだことだし、君達も少し休憩したまえ。それともベッドを用意しようか?」
「いや………それは遠慮しておきます。それより、このビルの中で補給できる場所はないですか?少々、装備が心許なくて………」
「確かにさっきはいきなり襲撃されたからなぁ。」
「それなら、1階のカウンターで各
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