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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第101話
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、お父さん……」

包囲されたキーアはマフィア達を睨み、シズクは不安そうな表情をした。

(くっ………こうなったら、ルファ姉達に頼んでこの子達だけでも逃がしてもらうしか―――)

そしてロイドが唇をかみしめたその時、何かが近づいて来る音が聞こえた。

「あれは………!?」

「車がもう一台………!?」

音に気付いたロイドとティオがエリィ達と共に街道の方面を見つめるとそこから豪華な車が次々と駐車してある運搬車を避け、マフィア達に突進し、突進して来た車に気付いたマフィア達は回避をし、そしてロイド達の目の前で停車した!

「このリムジンは……ディーター総裁の!?」

車を見たロイドが驚いたその時、車のドアが開いてマリアベルが出てきてロイド達に言った。

「さあ!早くお乗りなさい!」

「ベル………!」

「マリアベルさん!?」

マリアベルを見たエリィは明るい表情をし、ロイドは驚いた。

「話は後だ!とにかく乗りたまえ!」

その時車からディーターの声が聞こえ

「は、はい!キーア、乗り込むぞ!」

「うんっ!」

「シズクちゃん、掴まれ!」

「は、はいっ!」

声を聞いたロイドとランディはキーアとシズクを抱き上げて車に乗り込み、エリィとティオは牽制攻撃を行った後車に乗り込み、ツァイトは素早い動きでの屋根に乗った。そしてロイド達が乗ったリムジンは警備隊員達の銃撃を受けても平気の様子で、クロスベル市に向かい始めた。



「ルバーチェのみならず警備隊までもか………」

「………何というか……とんでもない状況ですわね。」

ロイド達から話を聞いた車を運転するディーターと、隣に座っているマリアベルは疲れた表情で溜息を吐いた。

「………ええ。正直、悪夢を見ている気分です。」

「ところで、おじさまたちはどうしてあんなタイミングで?」

2人の言葉にロイドは頷き、エリィは疑問に思っている事を尋ねた。

「ああ、共和国での商談があってその帰りだったんだが………タングラム門を超えたあたりでマフィア達の襲撃を受けてね。何とか振り切って街に辿り着いたら君達が襲われていたというわけさ。」

「そうだったんですか……」

「いや〜。マジで助かったッスよ。この車、もしかして防弾ッスか?」

ディーターの話を聞いたエリィは頷き、ランディは嬉しそうな表情をした後尋ね

「ああ、特注品でね。ガラスも防弾だから簡単には破れないはずさ。」

尋ねられたディーターは嬉しそうな表情で答えた後、口元に笑みを浮かべて説明した。

「ラインフォルト社製の最新の防弾リムジンですね。」

「なるほどねぇ……」

「でも、さすがに砲撃までは耐えられないでしょうし………
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