第68話
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あって、ただの車じゃないわね♪」
「まあ、国際銀行のトップは様々な存在に狙われている立場でもあるのだから、そのくらいはするでしょうね………」
「でも、さすがに砲撃までは耐えられないでしょうし………―――お父様。このままIBCに戻っては?」
「ああ、そのつもりだよ。彼らも疲れているだろうからゆっくりと休んでもらおう。」
「そんな、これ以上、ご迷惑をおかけする訳には……」
「その、お気持ちはとても嬉しいのですけど………」
ディーター総裁達がIBCに匿おうとしている事にロイドは驚き、エリィは申し訳なさそうな表情をして断ろうとしたが
「エリィ。水臭いことを言わないで頂戴。」
マリアベルは笑顔で答えた。
「IBCのゲートは特殊合金製だ。簡単に破られる事はないだろう。それにIBC総裁としてクロスベルの治安については無関心でいられない………できれば、詳しい事情を君達から聞かせて欲しいんだ。」
「ディーターおじさま………」
「………わかりました。ご迷惑をおかけします。」
「うふふ、決まりですわね。」
ロイドが自分達の提案を受け入れる事を決めた事にマリアベルが口元に笑みを浮かべたその時
「「………………………」」
キーアとシズクはうとうとしていた。
「2人とも……なんだか眠そうだな?」
「えー………?キーアねむくないよー。」
「だ、大丈夫です………」
「無理もないわ。もう10時近くだし………」
「あれだけの修羅場に付きあわせちまったからなぁ。」
「むしろ、危機的な状況に混乱せずに落ち着いていた事を褒めるべきね。」
「二人とも将来は大物になるでしょうね♪」
「うふふ、IBCに着いたらベッドを用意しておきましょう。」
「よし、そうと決まればせいぜい飛ばすとしようか!」
その後ロイド達を乗せたリムジンはIBCに向かった。
同日、22:00――――
その後IBCに到着したロイド達はキーアとシズクをマリアベルの私室のベッドに寝かせて、総裁室でディーター総裁とマリアベルに事情を説明した。
〜IBC〜
「……………………………」
「………お父様……………」
事情を聞いて重々しい様子を纏って黙って考え込んでいるディーター総裁をマリアベルは真剣な表情で見つめていた。
「―――現状で判明している事は確証があるわけではありません。いずれきちんとした証拠を揃える必要があると思いますが………」
「ああ………君達の立場ならそうだろう。………だが私は………今、大きな失望感を感じている。その”教団”の残党とやらの罪深さはもちろんだが………そんな連中に付け込まれ、こ
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