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新説アリとキリギリス
2部分:第二章
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第二章

「冬までに蓄えていたね」
「それじゃあキリギリスさんが言ってた蓄えって」
「それだったんですか」
「そういったものだったんですか」
「そうだよ。頑張って蓄えておいたんだ」
 キリギリスはにこりと笑ってアリ達に答えます。
「これ全部あげるから。冬の間巣に入れてくれるかな」
「これだけあるならいいですよ」
「というかこんなにくれるんですか」
「そうしてくれるんですか」
「泊めてもらうからね」
 だからだとです。キリギリスはまた言いました。
「僕の分の食べものも持ってるし。安心してね」
「わかりました。じゃあお部屋は用意しますので」
「どうぞ」
 こうしてキリギリスは冬の間アリ達の巣の中に泊めてもらうことになりました。けれどです。
 アリ達は巣の中に入れてあげたキリギリスにです。こう尋ねるのでした。
「キリギリスさんずっとバイオリン奏でてましたけれど」
「何時働いておられたんですか?」
「どうやって蓄えておられたんですか?」
 お互いの御飯、アリはお菓子を、キリギリスは草を食べながらです。お話をするのでした。
「あれだけのものを本当に何時の間に」
「一体どうやって」
「バイオリンを奏でてね」
 それでだとです。キリギリスはにこやかに笑ってアリ達にお話します。
「それを皆に聴かせてね」
「そうしてですか?」
「あのお菓子とかをですか」
「貰ってたんだよ。あれが僕の仕事だったんだよ」
「音楽を聴かせることがですか」
「それがだったんですか」
「君達が巣に御飯を運び入れることも仕事だよ」
 それは紛れもなくです。そうだというのです。
「けれどそれでもね」
「キリギリスさんのそれもですか」
「バイオリンを奏でることもですか」
「御仕事なんですか」
「仕事はそれぞれなんだよ」
 キリギリスはまた言うのでした。
「だからね。僕の仕事は音楽でそれで貰うものを貰って」
「そして夏や秋は草を食べて」
「冬の蓄えを作ってたんですか」
「その蓄えを泊めてくれる相手にあげて泊めてもらってるんだ」
 そうして冬を過ごしているというのです。
「毎年そうしてるんだ」
「成程、そうして冬を過ごされていたんですか」
「キリギリスさんのお仕事をされて」
「そのうえで」
「うん。じゃああれは全部あげるから」
 このことは絶対にだというのです。
「一冬宜しくね」
「はい、一冬お任せ下さい」
「一緒に楽しくやりましょう」
 アリ達はキリギリスを快く迎えました。それだけのものを貰ったということもありますがそれ以上に彼等は人がいいので。彼を迎えたのです。
 そしてそれからです。彼等はこう言うのでした。
「真面目に働くっていうのもそれぞれなんだね」
「そうだね。冬の凌ぎ方もね」
「色
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