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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第531話】
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 ヒルトが電脳世界にやって来た時点でその生体データの収集は完全に完了していた筈なのに、誰か一人を救出する度に膨大なデータ量が蓄積、それが肥大して電脳空間の至るところに四散していった。

 実際、有坂ヒルトに対するダメージは蓄積されている――それよりも恐ろしいのは確実に最強レベルで用意した『織斑一夏』がことごとく撃破されていく事だった。

 更にいうならば、シャルロット・デュノアに対する攻撃を行った際に感じた異物が二つ――一方は有坂ヒルトだが、もう一方は完全なアンノウン。

 それと今なお感じる誰かの『視線』、その視線によって更にこの電脳空間に違和感と居心地の悪さを感じた少女――。


「……次の標的は……束様の……」


 誰に聞かれることのない筈の呟き――闇に隠れて、少女を監視する男の銀髪が、電波の光で鮮やかに煌めいた。


 光が収束するや、第一声が届く。


「わ、本当に直ぐに出てきたね」

「でも、今回は五秒程掛かりましたわよ?」

「……何か法則でもあるのかしらねぇ……」


 三者三様、そう言いながら俺とラウラを見つめる三人。

 気を失ったままのラウラを寝かせ、残った扉の数を確認する俺。


「後は篠ノ之と美冬と未来……か」


 そう呟いたその瞬間、美春からの通信が届く。


『ヒルト、篠ノ之箒に対する攻撃が強まってきたよ』

「ん、休んでる暇はないってことか」


 痛む身体、軽い屈伸運動をすると俺は紅い扉の前に立つ――と。


「あの、ヒルトさん……少しよろしいかしら?」

「ん? 手短に頼むよセシリア」

「……ヒルトさん、篠ノ之さんに対して何のわだかまりもありませんの? これまで篠ノ之さんが貴方に行ってきた行い、少なくともわたくしは……」


 セシリアの言い分がわからないわけではない、だが――。


「……変わろうとしてる篠ノ之に、俺は何のわだかまりもないさ。 ……確かに俺は色々されたが、それは彼女だって同じだ、俺の些細な事で傷付けた可能性だって否定できない。 ……でも、そんな些末な内容よりも、これからの事が一番重要って訳さ、これがな」

「ヒルト、さん……」


 納得したのかはわからないセシリアの表情――鈴音とシャルの二人は寝かされたラウラの様子を見ながら俺にも視線を移していた。

 その時――また少女の囁きが聞こえる。


『わだかまりがある彼女達の仲を――貴方に紡げるの? それに、この事態で更に貴方に責任が――』

「……今はまだ、全てを答える時ではないが、少なくとも……俺を通して絆を紡げるのならば……本望だ」

『…………』


 誰に告げる事でもない、俺の呟きに不思議な表情を浮
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