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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
19話
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直言って馬鹿としか言い様がないわ。所詮安全圏から口を言ってもそいつらを止めることなんて出来ないんだから」

 セーフティーゾーンから言っても舞台に立っている連中を止めることはできない。本来言うこともできない。見ることしか出来ないのだ。何もしていないのに自分の思うように物事が進むはずがない。

「もし、それでも止めたいというなら後はもう力で食い止めるしかないわよ。自分が傷つけられる覚悟を持ってね」

「……っ」

 舞台に立ってすらいない人間が他の人間の意志を否定することを傲慢だが、舞台に立って否定することは決して傲慢ではない。後は戦いに勝つだけだ。

「―――何よ、なんやかんや私も口に出来るじゃない……」

 鬼一には口が得意じゃないと言ったが、思ったよりも喋れている自分に鈴は困惑を隠せなかった。鈴は気持ちを切り替えて一夏に話を続ける。

「戦うことは決して間違いじゃない。じゃあ、何が間違いなのか? 鬼一やセシリアはもう少し違うんだろうけど、私から言えるのは『その犠牲を無駄にしてはいけない』ことよ。その犠牲を無駄にしてしまう、忘れてしまうことが最大の罪と言ってもいいわ」

 目標にたどり着く為に多数の勝利が必要となるが、その過程で大なり小なりの思いを託されることになる。その思いを忘れることことが駄目なんだと鈴は話す。

「私たちは自分が選んだ道の中で罪を背負い罰を受けるのに、その道は犠牲の上に成り立っていることを忘れたら人ですらないわ」

 一夏の顔を見て鈴は苦笑。微塵も納得できていない一夏に鈴は否定しようとしない。

「……納得できない、っていう顔ね。今は別にそれでもいいわよ。ただね、一夏」

 鈴は残りのドリンクを飲み干し、先人としてのアドバイスを伝える。

「……結局のところ、本当に自分が何を守りたいかを良く考えなさい。そうすれば何をすればいいのか自然と分かるようになるわよ。だけど、全てを叶えようとするのは欲張りよ。そうしようとして潰れたり、自滅していった連中は歴史上数え切れないほどいるわ」

 そこまで話して鈴の真剣な表情は姿を消す。IS操縦者としての鳳 鈴音の言葉はここまでだ。残りは織斑 一夏に恋する女の子としての言葉。

「最後に、アンタ、守るためなら自分が傷ついても構わないと考えてるから言わせてもらうんだけどさ」

 いつものように明るい表情で、足を止めて俯いている一夏の正面から後ろにゆっくりと回り込む。

「アンタが傷つけば悲しんだり泣いたりする人間だっているんだから、誰かを助けてもアンタが傷ついて欲しくないと思うわよ」

「……っえ?」

 その言葉に弾かれたように顔を上げた一夏は慌てて鈴に振り向く。鈴は既に背中を向けていた。どんな表情をしているか一夏には分からなか
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