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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
19話
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立つことができたのでしょう?」

「無論、それもよく理解してます」

 トップを取るということがどれだけ難しいかというのは鬼一が誰よりも知っている。競技人口が多い分e-Sportsの方がある意味もっと厳しいか。

「だけど僕は自分のいた世界を馬鹿にされ続けている現状に微塵も納得しているわけじゃないんですよ」

 周りの女生徒からの視線を浴びている鬼一は、その視線がどういう視線がどういうものかよく理解している。そして、それが決して良いものではないことも。

「これからIS学園で催される試合、そして将来出場しようとしている公式戦で結果を出し続ける必要があります」

「……鬼一さん、まさか」

「ええ、将来的には世界大会『モンドクロッソ』に出場したいと考えてます。少しでも早くにです」

 モンドクロッソ、それが鬼一の最終的な目標。ISの世界、万人にとって1番分かりやすい証明が出来る名誉。賞金などはどうでも良く、鬼一があくまでも欲しいのはその名誉と各方面への繋がり。

「僕はきっとどうあがいても特化型のISや操縦者の方には最終的には負けるでしょう。ですが総合優勝は狙えるチャンスがあります」

 現段階の鬼一や鬼神、そして鬼一が描いている最終形は特化型には届かないという結論だった。無論、鬼一は対策を考えるだろうが打倒は極めて困難だというのを鬼一は痛感している。

 だが、将来の総合力では負けないという自信は鬼一の中にある。

「まぁ、そもそも出場できるかどうかも微妙ですけどね。なんせ男性操縦者が出場したことがないんですから」

 男性操縦者が現在2人、しかも極めて最近の話なのだ。鬼一が真耶に話を聞いたときはルール改定の話が上がっているらしいが、まだどうなるかは分からない。

「……本気、ですわね鬼一さん」

「ええ、本気です。僕は自分がいた世界を、自分の情熱を否定するような輩を放置するつもりは毛頭ありません。それならグウの音も出ないような結果で黙らせるつもりですよ」

 そこだけは譲るわけにはいかない。そして大多数の人間は結果だけを叩きつければ無条件で黙りこくるということも鬼一はよく理解している。

「モンドクロッソに関してはあくまでも道の1つであり目標ですね。場合によっては別の方向から考える必要もありますけど。なんせ出場できるかどうかもわかりませんし」

 鬼一は一番手っ取り早いのがモンドクロッソだと思っているが、不可能だと思ったらその時はその時でまた考えるだけのこと。

「……ですが、自分を傷つけるような真似はやめてくださいまし。鬼一さん、お身体の調子があまり良くないですよね?」

 その言葉に鬼一は思わず顔を顰めた。鬼一自身は隠しているつもりだったのだが、意味はなかったようだ。


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