19話
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一は、楯無を始めとした女性たちの原因で意識し始めるようになった。それからは女性のスタイルがモロに現れるISスーツからは目を逸らすようにしている。
「やれやれ、たっちゃん先輩に負かされて鈴さんにも負かされたか。こんな短期間に2度も負けるとは流石にへこみます」
小さくため息を零しながら鬼一は天井を仰いだ。その口調はとてもへこんでいるようにとても感じられない。
「……いつ、更識生徒会長と手合わせしたのですか?」
「この前のお休みの時ですよ。アレです、本音さんとセシリアさんと話したあの後です」
セシリアの質問に鬼一はやはり視線を合わせないまま答えた。
「現役の国家代表が強いというのは分かっていましたが、強すぎてどれだけの差があるのかさえも分かりませんでした。でも、収穫はありました」
「その試合の映像は残していらっしゃるんですか?」
「ありますよ? でもセシリアさんが見たところで勉強になりそうなことは……」
「是非、見せてください!」
「あ、はい」
セシリアの突然の大声に鬼一は身体を一瞬だけ震わせ、反射的に了承の意を述べてしまった。鬼一はセシリアの為にならないと思っているが、それを決めるのは当人なので鬼一には断る理由はない。
しかし、鬼一の予想とはまた違う目的でセシリアはその映像を見ようとしていることは鬼一は知らない。
「……しかしセシリアさんとの模擬戦や、たっちゃん先輩や鈴さんとの模擬戦で分かったことがあります。今の僕にはとにかく身体能力が圧倒的に足りていない」
「そうですわね……。ですがフィジカルは一定の時間をかけるしかないかと」
「分かっています。ですが今のトレーニングじゃ明らかに足りていないです。割と短期間でこの問題にケリをつけないと多分、皆さんを追い越すこともできなくなりそうです」
身体が資本、とよく言うがそれはISも例外ではなかった。身体能力の一点で言えば鬼一を上回る操縦者は代表候補生じゃなくても、山ほどいる。IS学園に入学する生徒はほぼ全員は相応のトレーニングしてから入学するのだ。
鬼一ももちろん入学する前はトレーニングしていたが、それでも実質1ヶ月程度では追いつくことは叶わない。
「セシリアさん達だって日々進歩しているなら僕はそれよりも早く進歩しなければなりません。ハッキリ言って僕は今かなり焦っています。代表候補生や国家代表との差に」
鬼一の目に映っているのはあくまでも代表候補生や国家代表の上の人間たち。自分の成長を感じてはいるが今のままじゃ全然足りていないことを痛感させられた。
「……お気持ちは分かりますが、ISもe-Sportsと同じように簡単なものではありません。鬼一さんだってこの数年死に物狂いで挑み続けたからこそトップに
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