19話
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……。これは……何?
見たことも聞いたこともない名称を目にした楯無は困惑を隠しきれなかった。概要や具体的な情報などは一切なかったが、IS研究所の所長の個人ファイルに残されている以上、無視していいものではない。
―――……何度か鬼一くんの試合を見ているしモニターに表示されている情報も確認したけど、こんなシステムは確かなかったはず……。
鬼一には伏せていたが、楯無は鬼神の戦闘データを解析している。それは鬼一にしか見えないものも含めてだ。鬼一の視点から見たモニターの情報にはこのようなシステム名は存在しなかった。
―――OSや基本システムには絡んでいない……。ということは従来とはまったく違うシステムということ? でもリミッターを解除した状態でもこんな表示はない……。それなら一定の条件下じゃないと使えないことかしら?
ISの形態移行や単一使用能力が頭に思い浮かんだが、それらとは決定的に何かが違うような気がした。
―――OSやシステム系統が様々なベクトルに進化していく中でこんなシステム名は聞いたことがないわ。しかも、一定の条件下でしか使えないシステムなんて。
情報が決定的に欠けている以上は楯無も結論を下すことは出来ない。
―――他に、他に何か情報はないかしら?
月乃宮 源三の個人ファイルの数は多くない以上、調べること自体はそこまで時間のかかるものではない。
キーを軽やかに叩いていた楯無だったが、突如ピタリと両手が止まる。
―――……なんって数と質のファイアフォール……。流石に外部からはこれ以上は難しそうね。
なんとか侵入を試みようとしたが解除は結局出来ず、諦めるしかなかった。楯無から見ても明らかに異常なセキュリティの厚さだ。迂闊に絡めばどうなるかはまったく想像も出来ない。下手したら食い殺されるのは自分かもしれない。
―――……情報が断片過ぎて、結局謎ばかりが残るわね……。研究所には長期出張、と伝えているけど実質的には行方不明状態……。かと言って鬼一くんにこういうことを聞くっていうのも……。
そもそも鬼一自身が知らない可能性もある。鬼一の状態を思い出して楯無は本人から直接聞き出すことは諦めた。
「やれやれ、面白いことは大歓迎だけど問題はノーセンキューよ」
ぼやいて楯無はクラックの証拠を削除していき、自身の証拠を抹消し終えたらパソコンの電源を落とした。
―――……それに一夏くんについてもどうしようかしら。零落白夜をこのまま使わせているというのも……。
ギシリ、と音を立てて椅子に深く腰がける。
―――ISの危険性についてはまだ全然考えられていない現状、そういった芽は早めに摘むなり管理なりしないと、ね。
首を回して筋肉をほ
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